鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

ごめんなさい、看護師さん、先生

先日、カラスに襲われていた子ネコ(ノラ猫)を救出し、休日診療をやっているある動物病院に連れて行ったのですが、そこの先生が会話の流れの中で同行していた姪っ子(高3)に対して、

「獣医を目指してるの?、応援するから聞きたいことがあったらいつでも来なさい」

みたいなことを言ったのです。
まあ、社交辞令です。

 

その先生、歳は多分私と同じくらい、非常に穏やかな方です。
しかし持ち込んだネコに関して “全力で命は助けますが、助けた命はどなたが責任持ちますか?” と厳しい選択を迫る一面も持ち合わせています。

我が愛猫 “りょう” が時折お世話になっている獣医さんは別にいて、姪っ子もよく知っているのですが、当日休みでやむなくこのおだやかな先生のところに駆け込んだのですが、姪っ子はその社交辞令をすっかり真に受けて、なんと夏休みになってからというもの、毎日のように通っているようです。

朝から夕方まで塾、その後先生のところにすっ飛んで行く。
診療時間が21時までなので、余裕で間に合うそうです。

 

姪っ子曰く、当初は、外で見ていて、患者、、、患動物?がいなくなった瞬間を見計らって院内に突入し、先生を捕まえていた、とのこと。

それが今は姿が見えると看護師さんが招き入れてくれ、事務室というか休憩所というか、そういう部屋に通されるようになったそうです。

ウヘッ!たった数日で?すげえ!

 

出された飲み物とお菓子で時間をつぶしていると、時折手の空いた看護師さんが来て(二人います)、

 

“すごいね~、こんな若いのに獣医さんなるんだ”
“はあ?若いから目指してんでしょ”
“あ、そっか”
“私たち一応動物看護師なんだよ”
“でも国の資格じゃないんだよね、結構いい加減な立場なの”
“いい加減て”
“そーでしょ”
“こんなかわいい獣医さんなら楽しそうだけど”

ちなみにここで言う “かわいい” は、男性が女性に対して感じる “かわいい” ではなくて、女性が女性に対して言う全くあてにならない “かわいい” だとご理解ください。

“何言ってんの、ねぇ、この子だって一人前の獣医になる頃にはアラサーだよ”
“いまどき言うか、アラサーって、ねぇ”
“そしたら私アラフォーだ”
“私なんかアラフィフかも”
“ひゃはははは!”
“先生すぐ来るからゆっくりしてって!”

 

『は、、、はい』

 

こんな現実的な会話(姪っ子からの又聞き)が繰り広げられているそうです。

 

そして、先生は時間がない中で、獣医学部がいかに狭き門か、入ってからがいかに大変か、何より獣医師という職業の現実がいかに厳しいか、などを粛々と言って聞かせ、それでも獣医を目指すというなら、あなたのような人が受からなければどうかしてる、と応援してくれるそうです。

 

先生、ありがとう。

 

姪っ子、あまりの現実にへこんでいるかと思いきや、

 

『超燃える、やっぱすごい仕事、絶対なる』

とのことで、

『熱帯魚に人工呼吸して死んじゃって訴えられそうんなったことがあるんだって』
「マジ?魚ってエラ呼吸じゃなかったっけ」
『できるんだって!魚に人工呼吸するのが仕事なんて、そんなすごい仕事他にない』

 

なんだか、獣医という仕事の現実に触れて、ますますテンションが上がってしまったようです。

 

医師が相手にするのは、人間というたった一つの種です。
でも獣医師が相手にするのは、犬、猫、馬、牛の基本以外に今や、フェレット、ハムスター、なんていいほうで、トカゲやヘビ、カメ、挙句はタランチュラにまで及ぶそうです。

なってからが大変、英文の医学書や論文を読み漁る毎日だそう。

 

でも姪っ子は、

 

『英語だけは得意、ヤバい、ヘタってたクモがあたしが治したら元気になるかもなんだよ、アガる!』

 

まあ、大いに味わうことになるであろう試練と挫折は後に取って置けばいい。

 

ただ、仮に北大を卒業出来たとして、まず、とにかくやりたいのが、馬、牛、の出産、新しい命の手助けがしたいとのこと。

動物園とか水族館に就職すれば、と言ってみましたが、今は全く興味がない、とのことでした。
まあ、動物園も水族館も相当な狭き門らしいですが。

 

 

 

『牛も助けるし虫も助けるんだよ、でも死ぬ子はちゃんと死なすんだよ、美味しく肉も食べるんだよ、北海道でそういうふうになりたい』

 

 

 

そっか、ガンバレ、でもテンション張り過ぎるな、切れたら大変だ。

 

 

 

来月、札幌旅行を強行して、そのテンションを少し緩めてやる。

 

ね。

 

よっしゃー!待ってろー、、、じゃなくて待っててください、札幌。
待っててください、札幌支部のあひる参謀さん。

 

『本部がないのに支部って失礼だし』
「う、、、いんだよ、お前が住んだら札幌を本部に昇格してやる」
『いみふ、、、ねえ船で行こ!』

 

えええええーーーーー!

 

ヤです!

 

ん?

 

車で行って、噂の直線道路走ってみるのもちょっといいかも。

 

検討します。