自己嫌悪
いやーーー、ビックリしました、心底驚きました。
そして、自分が情けなくなりました。
今日、仕事帰りに電車に乗っていたら、小学生半ば位の男の子が突然、シートに横たわったきりヒューヒューと妙な呼吸をしだし、痙攣もしているようで明らかにヤバそうな状況に陥ったのです。
私を含め、車内にいた大人たちは突然の出来事に呆然としたり、相変わらず会話やスマホに夢中だったり、誰一人声をかけようとはしませんでした。
となりに座っていた友達と思われる男の子もひたすら “おい!おい!” と呼びかけるだけ。
すると、ずっとスマホに熱中していたいかにも今風なファッション(がどういうものかはよく分かりませんが)の細っこい若い男性が、超面倒くさそうに、友達と思われる男の子に、
“コイツいつもこんなか?”
と、言い放ったのです。
周囲が何てこと言うんだ、な空気になりそうな中、
“なんか持ってんだろ!”
と言うが早いか、倒れている男の子の持ち物を勝手に漁り、テレビなどでたまに見る吸引器のおもちゃのような物体を探し当て、男の子の目の前で確認させると、そのまま彼に渡したのです。
そう、どうやら男の子は “気管支喘息” で、それが突然発作を起こしたようなのでした。
ほどなく発作は治まり、車内が安堵の空気に包まれようとしている中、男は友達と思われる子に、
“どこまで行くんだ?”
男の子、
“○○です”
まだこの先三つ目の駅。
すると彼は、漏れ聞こえた話の内容から察するに、次の最寄り駅に電話をし、事情を話し、救急車を呼ばせたようでした。
次の駅には救命士と思しき人と駅員さんが待っていて、倒れた男の子とその友達を連れて行きました。
どなたが緊急通報をしてくれたのか話がうかがいたいという救命士に男はもうスマホに夢中で何事もなかったかのようにその声を無視していました。
車内にも “この人です” とはとても言えない空気が蔓延し、みな不自然に首を傾げるだけでした。
急いでいたので、救命士さんも駅員さんもすぐに行ってしまいましたが、その後、それぞれが目的の駅を降りるまでの自己嫌悪たるや半端ではなかったはずです。
偉そうな恰幅のいいじいさん、化粧に夢中なおねえさん、男とほぼ同世代と思われる若者たち、そして私を含めた何かと若者を非難しがちなおっさんたち、“入れる穴” を売ったら完売、大儲けだったかもしれません。
高校生っぽい子たち、、、、は、いい、まだ子供だかんな。
なぜ、私は倒れた男の子に声をかけられなかったのか。
男の子が異常をきたしているのを早々に認識していたはずなのに。
皆が知らんぷりしてるんだから “君大丈夫?” なんて行為自体が恥ずかしい?
何いい人ぶってんだ、な声や目線が怖い?
関わって、より深刻な事態になったら、損?
なんだよ、私!!!
いつからそんな情けないヤツになったんだ!!!
これじゃあ、妹にも、姪っ子にも、近所のクソガキにも、
威張れねえええええーーーーー!!!!!
もう、“ノンアルコール・カルア・ミルク” という、ただの “コーヒー牛乳” で、今日のヤケを鎮めています。
もっと大人になります。。。