鉛の風船

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危険な密約

11月5日におこなわれる「ももいろクローバーZ」の日本武道館公演、“ももクロ秋の2大祭り~男祭り2012~” のファンクラブ先行、落選してしまいました。

 

でも落胆はしていません。
FC先行にどの程度の枚数が割り当てられたのかはわかりませんが、昨今の「ももクロ」の勢いからして、武道館の1万人ちょっとのキャパでそう簡単にチケットが取れるとはハナから思っていませんし、戦いはまだまだこれからです。

次はオフィシャル先行です。
最後まであがきます。

そしてこれはあくまで本年度最終決戦として見据える年末のSSA公演に向けての前哨戦。
あまりに大きい前哨戦ではありますが。

SSA公演のFC先行の結果発表が9月21日。

いいですね、いいですね、なんだか「ももクロ」に振り回されている内にあっという間に年末がやって来そうです。

 

昨年末SSAにおいてはじめてアリーナクラスの会場を制し、その後巨大な会場をことごとく埋め尽くしてきた「ももクロ」。
巨大な会場でばかりやるのが能ではないし、小さな会場にも確実にそれなりの魅力はある。
でもすでにそれでは収まりきらなくなっているし、もうさらにその上をすら、うかがおうかという存在になっている。

一番怖いのは、チケットが取れず、取れても巨大な会場ということで、彼女らが遠い存在と思われてしまうことなんでしょうけど、その辺りはできる範囲でうまくケアしているようですし、姪っ子(高2)の話を聞いていると、フットワークの軽さも相変わらずのようです。

私は基本的にライブなど音楽的側面しか興味がないので、スゲー人気のヴォーカル・アンド・ダンス・ユニットが繰り広げる、熱く、楽しい、極上のライブ空間が体験できればそれでいいんですけど。

 

ももクロ」大きくなったね、頑張ったね、まだまだ行けるぞ!

 

“男祭り” のFC先行落選を確認し、少し経った頃、姪っ子から電話がかかってきました。

 

ヒソヒソと、

『男祭り、当たった?』
「ハズれた」
『女祭り、当たっちゃった、へへへ』

なにーーー!!!

 

“女祭り” というのは、これも「ももクロ」のライブで、“男祭り” に先立って同じ武道館でおこなわれる女性のみ入場可の “ももクロ秋の2大祭り~女祭り2012~” のことです。

先日彼女がこれに行きたいと言い出し、なんとか諦めさせたはずの公演です。
開催日が平日だし、中間テスト直前なので、年末のSSAは2公演とも連れてってやることを条件に、「ももクロ」のファンクラブにまで入会させられて、やっとの思いで説得したのです。

 

それが、なんと、チケットが取れてしまったと言う。

 

「お前、行かない約束じゃ」
『だって、、、先行やってるかと思うと我慢できなくって』
「支払いは?」
『セブン』
「じゃ払わないでそのままキャンセルにしろ」
『それじゃハズれた人に悪いじゃん』
「だからいつもムダに倍率上げるなって言ってるだろ」
『どうしよう?』
「どうしようって、キャンセルだよ」
『う~ん、行きたいよ、、、』
「この前も説明したろ、その日の内に帰って来れないんだから、、、」
『おねがい、なんか方法考えてよ』
「そんなのない!ってかなんでヒソヒソ話なの?」
『声おっきいから、ドアのとことかママが通ると聞こえちゃうんだよ』
「はぁ~~~」
『ヒソヒソ、ニヒヒ、、、』
「うるさい!」

 

実は武道館はかなり時間が遅くなっても、彼女が通っている高校がある JR高崎駅 までは電車を乗り継いでその日の内に帰って来られるのです。
ただし、そこから自宅の最寄り駅までの電車が早々になくなってしまう。
これが結構距離がある、時間がかかる。アウト!

 

「あのな、、、」
『ん?』
「う~~~ん、実は高崎までなら帰って来れるんだよね」
『え?』
「ライブ何時から?」
『ろ・く・じ・は・ん!!!』
「おい、声デカくね?」
『あっ!ヤバい、、、ほんと?』
「うん」
『で?』
「もういいや、行っちゃえ」
『え?いいの?』
「しょうがないだろ、チケット取れちゃったんだから」
『よっしゃももクローーー!』
「うるさいって、、、」
『お~今のはマジでヤバい』
「いいか?」
『うんうん』
「学校終わったら駅にすっ飛んで行け、3時半までに駅に着け」
『ちょっときついかも』
「じゃあ早引けは?」
『親に確認するからムリ』
「そーなの?オレなんかやりたい放題だったけど」
『だからいまだに結婚できないんだよ』
「はぁ?関係ないだろ!やめるぞ!」
『ウソウソ』
「じゃあ4時の新幹線に乗れる?」
『よゆー』
「4時ちょっと過ぎのヤツだかんな、乗り遅れるなよ」
『うんうん』
「乗り換えミスらなきゃライブに間に合うから」
『そんで?』
「物販は諦めろ」
『うーーー、“おっちゃん” 誰かに頼んで買ってもらって』
「誰かって、東京のヤツにか?」
『うん』
「ふざけんな」
『じゃ諦める、残ってたら買ってくる』
「そんでぇ、終わりが何時になるかわかんないけど、9時半過ぎたら途中でも帰れ」
『それより遅いとダメなの?』
「ダメじゃないけど、余裕がなくなるし、遅くなり過ぎる」
『わかった』
「会場出たら、とにかく東京駅までは必死で行け」
『うん』
「東京駅着いたら新幹線乗る前に電話しろ、高崎まで車で迎えに行ってやる」
『ぐ、、、難しい、、、ややこしい』
「ややこしくないよ、お前ケイタイに路線検索とかのアプリ入れてないの」
『うん、めんどくさくて』
「とにかく後で調べてお前でもわかるように書いてやるから」
『でも、、、ママは?』
「難関だな、ウチに着くの夜中の1時過ぎちゃうし」
『バレたらむちゃくちゃ怒るよ、“おっちゃん” 殺されるよ』
「殺されるくらいじゃ済まないかも」
『どーすんの?』
「ライブの日、金曜だろ、適当な理由つけてその日はウチに泊まることにしとけ」
『理由って?』
「後で考える、そうすりゃママが仕事から帰って来てもお前のこと気にしないだろ」
『意外とずる賢いね』
「ん?それ褒めてないし、使い方違うぞ」
『いーの、楽しみが増えたー、2週続けてしおりん見れるーーー』

 

ノーテンキなヤツです。

 

かなり危険な約束をしてしまいました。
彼女の母親(我妹)にバレたら絶対タダでは済みません。

でも、そこまでして「ももクロ」のライブに行きたいという姪っ子を見ていると、数々のビッグネームが次々来日しているのに、指をくわえて見ているしかなかった高校時代を思い出し、観に行ける可能性があるなら行かせてやりたいと思ってしまうのです。

甘い、伯父バカです。

 

ところで交通費どうすんの?
往復1万近くかかるぞ。

『“おっちゃん” 、なんかまた手伝うことない?』
「退院してんだからお前に頼むことなんてないよ、お前が持ってる昔のももクロのCDとか売っちゃえば」
『ぜったい、ヤダ!』
「へんなグッズとか、サインとか」
『ヤダって』
「はぁーーー、しょうがねぇ、なんか見つけて手伝わせてやる」
『ありがと! “おっちゃん” いいパパんなるよ、結婚できれば』
「何だよさっきから、うるさいよ、もう切るよ」
『じゃね!』

 

そんなわけで、非常に危険な共犯関係が成立してしまいました。

 

でも、我妹は、母親特有の勘の鋭さで、すべて見通してしまうような気がします。
運命の10月5日、どうなることやら。