鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

運命の前哨戦 思わぬ障害登場

『バカじゃん!』

 

昨日、姪っ子(高2)が小遣い稼ぎのための仕事の手伝いに来ていたのですが、なぜだか話しの途中で急に怒り出し、、、うーん、子供は、特に女の子は何考えてるのかサッパリわかりません。

 

来たとたん、

『男祭り(ももいろクローバーZの武道館公演)の物販行きたいんだけど』
「ふ~ん」
『ねえ』
「ん?」
『行っていい?』
「行ってくればぁ」
『いいの?』
「いんじゃないのぉ」
『月曜だよ?』
「あぁ」
『ママ怒るかも』
「じゃよせばぁ」
『でも物販だけだからあんま遅くなんないよね』
「さあぁ」
『9時ごろには帰れるよね』
「・・・」
『ねぇぇーーー!』
「ん?」
『聞いてんの!?』
「何を?」

と、例によっていつもの「ももクロ」話。

『ちゃんとして!』
「あぁ?来週までに指治さなくちゃなんないし、いろいろいそがしんだよ、お前と遊んでるヒマないの」
『バカじゃん!パパより年上のクセに!しっかりして!ももクリ(ももクロのクリスマス公演)までいそがしんだから!』
「歳は関係ないもんね~」
『あああーーーもう、しんじらんない』
「少しほっといてくれる?余韻に浸ってんだから」
『ママに言わなきゃよかった!』
「あ!ありがとね、お前のおかげだよ」
『へんなの、キモイ』
「あ、仕事終わったらさっさと帰ってね」

 

そして間もなく怒り出し帰っていきました。
何ふくれてんだ、おかしなヤツ。

 

今日は、至って冷静です。

 

一昨日、メガネちゃんのピアノ教室に、入会の申し込みをするために行ってきました。

 

午後、早めに仕事を切り上げ、床屋へ。
大急ぎで帰ってきてシャワーを浴び、
歯の一本一本を確実に捉えながら30分近くかけて磨き上げ、
舌も念入りに磨き、うぇっ!ってなり、
鼻毛をカットして、
中途半端な寒さに何を着て行こうか散々悩み、結局代わり映えしない格好に落ち着き、
仕上げにリステリンで何度もお口クチュクチュ。

 

そして市外にあるピアノ教室へと愛しのメガネちゃんの元へと、飛んで行きました。

 

ってか、遠いな。
ん???
ここって、アイツが、姪っ子が通っている高校からそう遠くないじゃないか。

うーーーん、すごーーーくやな予感。

 

到着し、教室の前に立つと、あっ!おおおおお!
聴こえる、ピアノの美しい調べが聴こえるよぉぉぉぉ!
この入り口の向こうに彼女がいる、間違いなくいる。

 

どうしよう、なんて言って入ろう。

“やあ!”、、、ダサい。
“失礼します、昨日電話した”、、、堅苦しい。
“黙ってニコッとしながら”、、、怪しい。

入り口でモジモジしている私を尻目に、小学生くらいの子供たちが一人二人と不審の目を向けながら入っていく。
子供を迎えに来たらしき女性が訝しげにしきりとこちらを気にしている。
もう限界だ、このままでは警察を呼ばれかねない、意を決して中へ。

 

しかし、彼女は、と見回すも子供しかいない。
どうやら入ってすぐの部屋は待合室で、奥がレッスン室になっているようでした。

奥の部屋からピアノの音が漏れ聴こえている。
奥だ、間違いない、彼女は奥の部屋だ、ついに会える。
そのまま奥へ向かおうとすると、

『今レッスン中だからダメです』

と、そばに腰掛けていた小さな女の子が。

「あ、いや、ちょっと先生に用があって」
『レッスン中はジャマしちゃダメなんだよ』
『そーだよ』

別の子まで言い出す。

 

仕方がないので、椅子に腰掛けてレッスンが終わるのを待つことにしました。
子供ばかり5人。
ひじょーに苦手な空間。
居心地悪いったらない。

 

ふと気付くと、目の前の椅子に座っている男の子が、こちらをチラチラと見ながらしきりと隣の女の子に何かを囁いている。
そして、おもむろに立ち上がるとこちらに向かってきて、

『おじさん、ピアノ習うの?』

何だ、なんか文句あんのか、このガ、、いや、キミ。

「そーだよ」
『ふーん、先生が好きなんだ』

うぐっ!何だコイツ!

「何言ってるの、変なこと言わないの、ね」
『おじさん達みんなそーだもん』
『そお』『そーだよ』

外野まで騒ぎ出す。

『とうさんに言ってやる』
「へ?」

薄っすらと笑みを浮かべ、強い眼差しで、こちらをじっと睨み付けている。
あれ、コイツどっかで。

 

「ああっ!お前 “たく” か?」

 

ぎえーーーー!思わぬ障害登場。

 

なんと、ここから少し郊外に行ったところで農家をやっている私の高校時代からの悪友の次男坊。
たしか今小3のはず。
良く言えば、非常に賢く元気で明るい子、悪く、というより私的に言えば、ずる賢く一筋縄ではいかない悪ガキ、男の敵が外に7人いるとすれば間違いなくその内の1人。

 

「お前なんでピアノなんか習ってんの?」
『わりい?』
「似合わねえ、やめろ」
『ふん!』
「ここでオレに会ったこと絶対オヤジに言うんじゃねーぞ」
『言う』
「言うなって、いつもお年玉やってんだろ」
『言う』
「マジ泣かすぞ」
『言う言う言う』
「いい加減に、」

 

と、そこへ、

『あのぉ、どうかされましたか?うちの生徒が何か?』

最悪のタイミングで先生が、メガネちゃんが現れました。
そう、まるでドラマのように。
悪い方へのタイミングというのは絵に書いたように決まることになっているようです。

 

おおおおお!天使降臨!!!
眩しい、綺麗、というか、いまだ可愛い。
来てよかったーーー!

 

『あ、○○さん(私)、こんにちは、待ってたよ』

クリスタルヴォーーーイス。
耳が、心が、脳が、溶けてしまいそう。

「どうも、、、」
『この子と知り合い?』
「あ、いや、、、」

 

そこへアイツが、

 

『このおじさん、とうさんの敵です!』

 

な、何を言い出すんだ。
そりゃ、お前の親父とは今までよく飲んだくれては、ケンカ腰で話してたよ。
でもあれはケンカしてたんじゃなくて、、、。

 

『敵???』

 

うあーーー、先生こんなヤツの言うこと真に受けないでくれ。

 

前途は多難のようです。