鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

今年、初メガネちゃん

のわぁ~~~んんん。。。
ぽわぁ~~~~~。。。
ふわぁ~~~んんん。。。

 

そのとき、この地球上において、間違いなく私にかかっている重力のみ極端に小さかった。
そして空気も私の周りだけふんわりと柔らかかった。
あのドアを開けてその空間に1歩足を踏み入れた瞬間、人間の五感なんて永年の刷り込みによる単なる思い込みなんだと知らされた。

ただし、時間だけは非情なまでの速さで過ぎ去ってしまったけれど。

 

行って来ましたーーー!!!
今年初めてのピアノレッスン。

 

メガネちゃん(我がピアノ教師)に会うのは、ほぼ1ヶ月ぶり。

 

長かった。

まだ、私の居場所はあるだろうか。
レッスン仲間は変わらず迎えてくれるだろうか。
見たことない顔が皆とよろしくやってたりしないだろうか。

そんな小心者全開の情けない心持ちで、自分でも驚くほどドキドキしながら教室のドアを開けると、そこにはホッとする顔が、レッスン時間待ち仲間の3人、小学生低学年女子二人と退職後にピアノを始めた初老の紳士一人が、いつもと変わらずにいました。

 

キモいけど、ちょっとウルッときそうでした。
もう私のデスクはないな、そう覚悟して久しぶりに出社してみると、思いもよらず復帰を歓迎された、そんな気分。

 

一人の少女は紳士と相も変わらずゲームにいそしみ、時折、私には意味不明の暗号のような会話を交わし、二人して悔しがったりドヤ顔したりしている。
この上なく楽しそう。

 

もう一人の少女はこちらも相変わらず楽譜にかじり付いてのエアピアノ、まるで音大受験日から逆算して今を生きているような感じ。
でも悲壮な感じはまるでない。
こちらも楽しそう。

 

一通り年初の挨拶をして椅子に座ると、エアピアノの子が早速話しかけてきました。
この子はすごく話し好き。

 

『おじさん、あんまり字書かないの?』
「へ?どうして?」
『ママが言ってた、ピアノみたく字も書かないと下手んなるって』

ぐへっ!それって、私が出した年賀状の返状のことか、、、へこむ、これでも昔は習字に通ってたし、男にしては上手いと言われていたのだが。

「○○ちゃん上手だよね」
『そっ、お習字習ってるの』
「へー、習い事いくつしてるの?」
『おしえない』
「え?なんで?」
『たしなみなの、自慢することじゃないの』

すげーーー!大人だ!
姪っ子(高2)に飲ますから爪の垢少し分けてくれ。
などと、感心していると、

『おじさん、何色好き?』
「色?んーーー、黒」
『えぇぇ、、、カワイイ色言って』
「じゃあ、白」
『おじさん、色盲なの?』

よくそんな言葉知ってるな、、、あっさり玉砕。
そして。

『じゃあ、これあげる』

と言って、突然青いイルカのストラップをくれました。
海べりの観光地とか行けばどこにでもありそうなヤツ。

「あ、ありがとう」
『いっぱいあるんだよ、ほら!』

と言って見せてくれたバッグの中には様々な色のイルカのストラップがたくさん。

「どうしたのこれ?」
『グアムのお土産、お教室のみんなにあげなさいって、ママが』
「おっ!グアム行ってきたの?」
『はい、ピアノの練習できないから行きたくなかったんだけど』
「グアムでお正月か、すごいね」
『べつにすごくないよ、グアム安いんだよ』
「・・・」
『せっかく冬になったのに暑いとこ行くなんて変』
「今年は寒いからあったかくてよかったでしょ」
『うーーーん、ハワイのほうがいい、葉山とか下田みたいだった、みんな日本語なんだよ、お食事日本のほうが美味しいし』
「ははは、、、」

 

葉山に下田ってのが微妙だけど、お嬢様なのね、、、。
先輩!さすがっす!!!

 

「あのぉ、、、イルカだけど、赤と交換してくれる?」
『赤?いーよ、はい、赤好きなの?』
「あ、いや、べつに、なんとなく、、、」
『そうか!ももクロのあ、』
「違うから!なんとなくだから、ね!ももクロ関係ないから」
『ふーん』

 

そんないつもの他愛もないやり取りをしているうちにエアピアノの子の番が来て、次にゲーム少女の番が来て、ついに私の番が来ました。

 

老紳士より私のほうが先。
ちょっとした優越感。

 

ついにメガネちゃん登場。

 

お久しぶりーーー!!!!!

 

ね、眠い、、、この後のろけまくりますが、それはまた今度、、、多分。。。