鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

Girls, be ambitious.

私の仕事はその性格上、年度末の3月は意外とヒマで、新年度を迎えると急に忙しくなります。
ですのでこのところちょっと忙しぶっているわけですが、そのせいもあって姪っ子(高2.99)がどうしているのかすっかりと忘れていました。

 

左手首を怪我してからは、さすがに自転車でウチまでの坂道を延々と上ってくるのは無理だとみえて毎日のように来ていたのが顔も出しません。
ここ数日は電話もない。

じいさん、ばあさんが、様子見て来いとうるさくて仕方がありません。

 

「電話すりゃいいだろ」
『電話じゃなくて見てきな』
「へーきだよ、親がいるんだし」
『あんな仕事ばっかりな親当てんなるか!』
「よせよ、ほっとけ、嫁に出した娘の子だかんな、ウチの孫じゃねんだぞ」
『そうだけど、、、』
「はぁ~、わかったよ、夕方寄ってみるよ」
『そう!?、じゃぁアブラナと小松菜採るから、それからキンピラ作って、、、』
「いい!やめて、○○(妹、姪っ子母)が鬱陶しがる」
『○○(姪っ子)アブラナ好きだから』
「いいから、とりあえず様子だけ見てくるから」
『・・・・・』

 

そうは言いつつも電話で済めばと思いケイタイにかけるも出ない。
アイツは、いつも本当にケイタイに出ません。
女子高生なんて、それがなければ不安で仕方ないほど依存してるんじゃないのか。
メールの返事なんて平気で次の日顔を出したときに言ったりするし。

それでよく友達いるな。

じゃあと固定電話にかけるも、やっぱり出ない。
留守電にもなっていない。

 

んったく!“きたえーる・ショック” で鬱にでもなってんのか?

 

で、夕方姪っ子の家に寄ってみると、、、はぁぁぁ~~~、力抜ける。
思いっきり音漏れしている。
門の前に立つだけで、歌詞まで聴き取れそうなレベル。

くっ!これはたぶん、昨年末の「ももクロ」SSA公演。

ハイッ!ハイッ!とか聞こえる。
一人じゃなさそう。

 

なんだよ、こちとら忙しい中都合を付けて様子を見に来てやったというのに、ノリノリじゃねーか。
バカみたい。

 

でもわざわざ来たのだから顔は見ておかないと、と思いチャイムを鳴らすもまったく反応なし。
おい!どんな大音量で盛り上がっていようが、チャイムの音は聞こえるだろ!

何度押しても一向に出て来ないので、閉められた門から身を乗り出し、じっと曲の行方に耳を澄ませ、、、道行く人が訝しげな顔をしながらチラチラ視線を向けるがそんなのかまってられない。
曲が途切れ、静かになった瞬間に、ピンポンピンポンピンポンピンポン!!!押し続けました。

 

そうしたらやっとのこと彼女が受話器に出て、

 

『どちらさまですか?』
「ふざけんな!映ってんだろ!」
『なに?今○○(彼女の親友)と進路の相談してたんだけど』
ももクロ聴こえてたけど、、、」
『だから、ももクリ観ながら、、、』
「いーから、玄関開けろ」
『・・・』

 

やっと家に入れました。

昨年末、友人と一緒に行った「ももクロ」SSA公演の映像を観て盛り上がっていたようです。
彼女と親友の○○ちゃん、二人で居間をお菓子と飲み物で埋めて、「ももクロ」三昧していたのでした。

 

ふんっ!父よ母よ、だから言ったろ、コイツに心配なんて無用だ。

 

「○○ちゃん、いたんだ、久しぶり」

この子は高崎在住で、姪っ子とは全く違う、おっとりとしたいわゆる天然ボケっぽい性格ながら、彼女の一番の親友でいてくれているありがたい子です。

『“おっちゃんさん(彼女は私のことをこう呼ぶ)” この前駅んとこで見ました』
「え?高崎の?そうなんだ」
『はい、おしゃれな袋持って急いでどっか行っちゃいました』

???、あっ!ホワイトデーの買い物をしていたときかも。

 

『“おっちゃん” 何しに来たの?』
「別に、ちょっと寄ってみただけ」
『ふーん』
「お前がまだ落ち込んでるかと思ってさ」
『落ち込んでたらどうすんの?』
「落ち込んでねーじゃんか」
『落ち込んでるよ、片手で顔とか洗うのすんごい大変なんだよ』
「は?そっちか?」
『でもさ!発見したよ!あたし右手だけで背中全部届く』
「おお!すげえ!」
『でしょ!』

 

どーでもいいです、、、。

 

横でクスクス笑っている友達の○○ちゃんに、、、面倒くさいな、ここは “ま” ちゃんとします。
その “ま” ちゃんに、

 

「もう進路の相談なんかしてたの」
『はい、遅いくらいです』

 

以降、姪っ子の友人を “ま” 、姪っ子を “ゆ” とします。

 

ゆ:『心配性なんだよ』
ま:『だって、、、ママが』

 

「え?希望がママと違うの?」

 

ま:『はい、ママは大学行ってパパの銀行入りなさいって』

 

「ああ!おとうさん銀行の人だったよね、前にオレがお金がピンチだって言ったら、パパんとこにいっぱいあるって」

 

ま:『はは、そうです』

 

「じゃあ “ま” ちゃん、どうしたいの?」

 

ま:『あたし、犬大好きなんです、だから専門学校行ってトリマーになりたいなって」

 

「へー、トリマーって何だっけ?」

 

ゆ:『“おっちゃん” 犬とかの美容師だよ』

 

「ああ、いいじゃん、これからペットどんどん増えるから儲かりそうだし」

 

ゆ:『もうかるとかゆーな!』
ま:『ふへへ、、、』

 

「でも、やりたいことがあるんなら、ママに相談してみ、言わなきゃそれで終わりだかんね」

 

ま:『はい、、、』

 

「自分でいっぱい調べて真剣にね、そうすれば真剣に聞いてくれるよ」

 

ゆ:『おお~~~、“おっちゃん” タマにはいいこと言う』

 

「うるせえ、茶化すな!」

 

ま:『あはは!』
ゆ:『“おっちゃん” 偉そうだし』

 

「だいいち、お前どうすんだよ?」

 

ま:『ゆりね、獣医さんになりたいんだって』
ゆ:『ギャッ!バカ!やめ、、、』

 

えええええーーーーー!!!

 

初耳なんですけどーーーーーー!!!

 

何ヶ月か前に「管理栄養士」になりたいとか言ってなかったっけかーーーーー!!!

 

「獣医学部」なんて今や無茶苦茶狭き門なんですけどーーーーー!!!

 

「ホントなの?」

 

ゆ:『だからちょっとなりたいって思ってるだけだし』
ま:『ゆりが獣医さんで、あたしがトリマーで一緒のお店出すの』

 

お店って、、、。

 

はぁ~、何もなかった春休みの残り少ない日数を恨んでいるなら、どこかに連れて行ってやってもいいかなと思いつつ寄ったのですが、それどころではありませんでした。

 

東武動物公園の「ももクロ」の話とか、いろいろあったのですが、切り出せる雰囲気ではありませんでした。

 

いつもおっとりの “ま” ちゃん、あいも変わらず「ももクロ」一直線な姪っ子。
二人とも来週から高校3年生です。

 

現実的かどうかはひとまず置いといて、それぞれが何とはなしに、否が応でも迫って来つつある現実という名の足音を聞き、それに応えようと、とりあえずはほんの小さな階段を登り始めてはいるようです。

 

二人とも頑張れ、今ならまだ、いくらでも夢を見て、それを現実にする時間はあるぞ!

 

で、、、あのー、「ももクロ」の子供祭りの件なんですけど、、、あっ、いいや、また今度にします。

 

左手の甲にチョチョッとメモするクセのある姪っ子のギプスはすでに落書きだらけでした。

 

いいなー、高校生か、、、いつまでも子供じゃないんだな。。。