バカ二人 in サマソニ'12 Vol.5
「バカ二人 in サマソニ'12 Vol.4」の続きです。
「ももいろクローバーZ」、熱過ぎるライブ終了。
心地いい疲れがどっと押し寄せ、通り過ぎる人々の “あのおっさん、大丈夫か?” な視線を全身に浴びながら一人オープンスペースにしゃがみこんでいました。
ちょっとニヤニヤしながら、虚ろな目で、、、完全に不審者。
もうマウンテン・ステージまで行き、「ニューオーダー」を観る体力や気力はこれっぽっちも残っていませんでした。
退院後初のライブ参戦、しかもロックフェス、予想だにしなかった早朝からの怒涛の展開、無意識の内に興奮し、気が張っていたのでしょう、「ももクロ」のとんでもないエネルギーに圧倒され、完全燃焼してしまったようです。
でも、ホント体力落ちた。
退院してからまだ2週間半なので、それもまあ当然ではあるのですが、なんだかこのまま大なり小なり体に異変をきたしながら、病院やかかりつけ医、市販薬などにお世話になりながら、おっさんから次のステージに押しやられて行く気がします。
入院した5月までの体に戻ることはもう一生ないでしょう。
タオルをなくしてしまったので、止め処なく流れ落ちる汗がアスファルトではじけ散る様子を見つめながら妙な感傷に浸っていると、突然姪っ子(高2)から電話が。
『“おっちゃん” どこ?』
「お前、何度も電話したのにつながんな、」
『来たときのゲートの前にいるから』
「え?もう外にいんの?」
『そっ!出てくるモノノフさん(ももクロファンの通称らしい)に頼んで M を S に換えてもらう!』
「は? M ? S ?」
『Tシャツだよ』
ま・さ・か。。。
駅に向かう「ももクロ」ファンの方々に片っ端から声をかけて物販で買ってきたTシャツのMサイズをSサイズにトレードしようと画策しているようでした。
なんてヤツ、とんでもない執念、恐れ知らずも甚だしい!
バカか、ヤメローーーーー!!!
よっしゃ、覚醒!
全力でゲートに向かい、阻止しました。
こういうことは、ツィッターでもやっていれば簡単なんでしょうけど、彼女は学校、親に禁止されているし、私はとっくにやめててもう興味がない。
速攻でアカウント取ってもよかったのですが、面倒なのでやめました。
「お前、なんで電話出ないんだよ」
『クロークに預けといた』
「なんだよ、ケイタイくらい持っとけよ」
『だって前、割っちゃったから』(以前ケイタイを尻ポケに入れたままライブに参戦し破損させている)
「はぁ~、心配したよ」
『ウソだ!どうせももクロで抜け殻んなってたくせに』
「そっそんなことねー」
『ももクロでっかくなった~』
「そうだな、また成長したな」
『うん、、、』
「お前、どこで見てたの?」
『真ん中のちょっと前らへん』
「圧縮きつかったろ」
『そんなんもう慣れてる、“おっちゃん” は?』
「後ろのほう」
『情けない!サマソニだよ、しおりんなんかさ、、、』
と、ここで言葉に詰まり。
えっ?えええーーー!
そのまま泣き出してしまいました。
ちょっ!待てよ!まずいって。
明らかに50近いデスな格好のひょろ長い怪しいおっさんの目の前でしくしく泣き出す全身真黄色などう見ても高校生くらいにしか見えない少女。
まずいよ。
警察来ちゃうよ。
駅に向かう人々の訝しげな、犯罪者を疑うような、チクチク刺さる視線。
もう、勘弁してくれーーーーー!!!!!
サマソニという国際的な舞台で、しかもレインボウとはいえそのトリを張り、会場に入りきれないほどの観客を興奮の坩堝に巻き込んだ。
あの、デパートやCDショップなどの一角で数十人、下手すれば数人の人々を相手に必死に歌い踊っていた自分と同世代の少女たちが。
感極まってしまったようです。
こちらも、もらい泣きしそうになり、“うん、うん” とか思っていると、
急にケロッとし、
『お腹減ったー』
一旦予約していたホテルまで帰り、シャワー後、焼肉食いに行きました。
私は、ウイダーinゼリーでしたが。。。
翌日は東京で、CDショップ、楽器屋、本屋などを巡り、帰って来ました。
立ち寄ったCDショップの「ももクロ」推し具合が凄くてビックリ。
姪っ子曰く、“聖地巡礼だよ” と。
いみふ、、、。
それにしても、姪っ子よ、服とか見に行かなくていいのか?
コイツがファッションの話とかしてるの聞いたことがない気がする。
友人はそれなりにいるようですが、話とか合うのか?
タマにウチに連れて来て、「ももクロ」を布教したりしてます。
不思議なヤツです。
そして帰宅し、翌日目覚めたときはすでに夕方でした。
姪っ子は自宅に帰り、もういなかった。
本当に怒涛の二日間。
疲れ果てた、でも生きている自分を思いっきり満喫できた。
楽しかったです。
ベッドサイドのテーブルには例のMサイズの「ももクロ」サマソニTシャツが。
“おっちゃんにあげる” とのメモ付きで。
おいっ!オレはXLでも小さいんじゃーーーっ!