鉛の風船

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女祭り オペレーション・タマネギ 作戦本部壊滅

女祭り オペレーション・タマネギ 破綻寸前」の続きです。

 

23時半少し前に高崎駅到着。
東口前で姪っ子(高2)の帰りを待つ。

 

ちゃんと “Maxたにがわ431” に乗れたのか。
22時20分に電話をよこし、直後に出発する新幹線には確かに乗ったようだった。
確認しようとすぐに電話をかけるも、電源が切られていた。
その時間に高崎に向かう新幹線は1本のみ。
よって、しばらくして駅から出てこなければ、北か西へ向かってしまったことになる。

イヤーーーーー!それだけはやめて!

妹の鬼の形相が目に浮かぶ。

 

などとしょうもない妄想を巡らしていると、

23時40分、待望の着信。
大声で、

 

『クルマどこーーー!』

 

と言うが早いか、彼女が出口から猛然と飛び出してきました。
ダッシュ、物凄いスピード。

私に気付くふうもなく一瞬で駆け抜けそうなのをあわてて呼び止めると、

『クルマ、クルマ!』
「え?何?お前どうしたの?」
『早く!』
「なになに、なんかあった?」
『おまわりさんがロッカーからカバンとか出すの見てたんだよ』
「だから?」
『また捕まったらヤバいよ、早く!』
「平気だよ、だれも追ってきてないよ」
『やだよ、そこに交番あるし』

金曜の夜を楽しみ家路に着く方々が、何事かとこちらの様子をうかがっている。

 

そう、この子は以前、中3の頃だったか、「ももいろクローバーZ」のイベントに行った帰り、夜遅くに大宮駅を一人でウロついているところを保護(補導?)され、いろいろ事情を聞かれているうちに電車に乗り遅れ、結局母親が大宮まで引き取りに行き、大目玉を食らったという前科があるのです。

家出少女に間違われたらしい。

 

とにかく車に乗せ、

「大丈夫?」
『うんへーき、足なら絶対負けない』
「そうじゃなくて」
『なにが?』

大丈夫そうです。
尋常じゃない様子だったので、一瞬焦りました。

 

ともあれ、コンタクト成功、回収完了。

ホッとしました、これで後はウチに帰るだけです。

「あんな走ってきて、なんか落としたりしてないか?」
『たぶん』
「たぶんじゃなくて、チェックしろ」
『うん』
「お前、いきなり走り出したらかえって怪しまれるだろ」
『あっ!アメない』
「アメ?」
『武道館出るときもらったアメ』
「それ大事なの?」
『別にいい』

 

23時55分、撤収。

 

ももクロ凄かったよ』
「クソー、よかったな」
『しおりんがさ、』

ウチに近づくまで延々とライブの話を聞かされました。

『あのさ、となりにさ、モデルさんか女優さんみたいな綺麗な人いてさ』
「へー、いいな」
『あの人は絶対カタギじゃない』
「バカよせ!」
『んでさ、その人が買ったグッズとか見せてもらってたの』
「うん」
『そしたらさ、ともだちとカブって買っちゃったって言って、よければ片方譲るって』
「へー」
『頭に被るタオルとフツーのタオル譲ってもらった』
「頭に被るタオル?」
『これ』
「今出さなくていい」
『かわいいよ』
「お前の部屋、また変なタオル増えたわけだ」
『ほしい?』
「いらね」

ずっとこんな調子。

そして、そろそろウチに着こうかという頃、

『あっ!』
「え?もう驚かすのやめて」
『アメ、お腹へってなめちゃったんだ』
「コンビニ寄るか」
『うん』

コンビニで、いろいろ買い込み、

 

25時少し前、帰還。

 

コードネーム “オペレーション・タマネギ” 、作戦完了!

 

よっしゃ!ちょっと時間も遅いけど、作戦完了を祝って打ち上げだー!
“女祭り” を堪能してご機嫌な姪っ子と、一緒に行ってしまったほうがよっぽど楽だったと後悔し疲れ果てた私は、いつもの私の部屋兼仕事場へと引き上げたのです。

 

ところが。

 

えええええ?ここは誰の部屋ぁーーーーー!!!(逆デジャヴュ)

 

ないのです、私の入院中に姪っ子が持ち込み、その後もどんどん増殖し、私の部屋を「ももクロ」仕様にしていた数々の “ももクログッズ” が。
綺麗サッパリ。

呆然とする姪っ子。
愕然とし、元の部屋に戻ったというのに、なんだか寂しい私。

 

そして、彼女がいつもDVDとか観ているテレビの前のテーブルには、

“明日からの3連休、朝から晩まで勉強、一瞬でもサボったら全部捨てる”

と書き殴られた大きな紙が。
カレンダーの裏だ!

 

私のデスクの上には、

“お疲れ、あとで話しがある”

と書かれた、これまたカレンダーの裏が。

 

すべて、彼女の母親(我妹)の仕業。

 

ギャーーーーッ!

完全にバレてるじゃねえか!

いつ来た?
私が家を出たのは22時半頃。
そして今は25時。

たった2時間半の間にこれだけのことをやってのけたのか。

何でバレた?

 

二人とも、さっきまでの打ち上げ気分はどこへやら、お通夜のような食事となりました。

 

「お前、やっぱバレてたじゃんか」
『ねっ』
「ねっ、じゃねえし」
『“おっちゃん” がママに聞かれたときキョドってたんだよ』
「んなことねぇ、お前がライブ行く気満々過ぎるんだよ」
『ちがう、“おっちゃん” ママに弱すぎんだよ』
「はぁ?お前がのん気過ぎんだよ」
『じゃあさ、』
「待った、バレちゃったもんはしょうがねえ、しばらく大人しくしてろ」
『うん、へへへ、ママ、すごいね』
「そうだな」
『ふっ』
「ぐふっ」
「『ぎゃはははは!』」

 

最後の最後、作戦本部を留守にした一瞬の隙をつかれてしまいました。
ラスボスは、こちらの動きを分析、完全に把握し、強烈な無人兵器を仕込んでおいたのです。

 

“女祭り” は、素晴らしかったそうです。
でも、姪っ子曰く、

『ちょっと、ヌルかった』
ももクロじゃなくっても、な感じ』

だったそうで、まあ、初めて参戦する女性を考慮した内容だったのかもしれません。

演出の方がいつもの方と違っていたそうです。

彼女は、いつものやり過ぎ感のある演出が大好きなので、ちょっとだけ消化不良だったのかもしれません。
でもまあ、それでいいのです、毎回毎回全員が満足する演出なんて不可能なんですから。

 

ともあれ、概ね大満足ではあったようです。
ありがとう「ももクロ」。

 

ケイタイひとつを頼りに一喜一憂するのは本当に疲れました。
前にも書きましたが、一緒に行ってしまったほうがよっぽど楽。

 

次回は、「エネミー・オブ・アメリカ」ちっくな、米NSAにお願いすることにします。