鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

ヤケボックイに火種なし!

ヤケボックイに火をつけろ!」の続きです。

 

ももいろクローバーZ」がぶち上げたとんでもない企画に過剰に反応した姪っ子(高2)は早速行動を開始しました。

目的はただ一つ、“特別な” というなんとも魅惑的な響きに彩られたタダのCDを入手(厳密には貸与)し、放送室をジャックすること。

 

最初にとった行動は、校長に直談判しようという非常に安直なもの。
結果はもちろん敢え無く撃沈。

 

そして翌日、担任は頼りにならないと踏んだ彼女は、母親である我妹と私の共通の知り合いでもある音楽教師へのアプローチを “私のアドバイスで” 開始したのです。

 

「いいか、ママのことはどうでもいいからな、“おじさんに” 紹介されて来た、とハッキリ言えよ」
『別に紹介されたとか言わなくても先生だもん行けば話聞くし』
「いーーーから!」
『へんなの、、、』
「何にも考えるな、お前はCDのことだけ考えてろ」
『・・・』
「あ、それからオレのケイタイ番号教えていいからな」
『なんで先生にケイタイ番号、』
「うるさい、考えるな」
『・・・?』

 

“あなた、私の授業受けてないわよね”
“あのぉ、先生、おじさんに紹介されてきたんですけど”
“おじさん?”
“○○です”
“○○さん??? ! えーあなた彼の姪御さんなの?”
“はい”
“彼、元気?”
“はい、これ、ケイタイ番号です”

みたいな、ね!

よっしゃ姪っ子よ、ここは、ここだけは緊張感持っていけ、CDよりまずは指示されたことをクリアしろ、やさしい伯父さんに秋も冬もスッ飛ばして、まさに桃色の春をもたらすんだ。

 

そして言われた通り音楽の先生に相談したところ、なんと、その先生が学年主任を説得してくれることになったそうです。
先生さすが、やさしい、うんうん!私の知る彼女はそういう子、相変わらずの天使っぷりや~! ← そろそろキモイ。

 

しかし、ここで大きな問題が。

実は、学年主任は姪っ子の天敵なのです。

この先生は、運動部至上主義な人で、陸上部を始めとして、様々な運動系の部にかかわり、大会で好成績を収めさせること、そのことだけに人生を懸けているような人。

姪っ子は、中学時代そこそこ名が知られていた超体育会系(超野生児ともいう)だったので、今の高校に入学したとたん彼にロックオンされ、あっちの部に入れこっちの部に入れと相当期間付きまとわれていました。
しかしその頃すでに「ももクロ」にどハマりしていた彼女は “そんなヒマない” の一言で断りまくっていたのです。

絶対根に持っていて、彼女のお願いなんて聞いてくれっこない。

 

それを説明すると、それじゃあと、教頭に直接話してくれることになったそうです。

すると教頭が “前例はないが、特に許可しない理由もないので” と言ってくれたそう。
教頭ステキ!まだまだ若い、きっとその内校長の話が降って湧くよ。
ただし、担任と学年主任にはしっかり話を通しておくこと、という条件付きで。

 

堂々巡りーーーーー!

 

しかたなく渋々担任に話すと、

「どうして、○○先生(愛しき音楽教師)に相談したの?」
『・・・』
「あなたの担任は誰ですか?」
『先生です』
「そう、最初に話してもらわなきゃ困るよ」
『・・・』
「教頭先生が許可したのならダメとは言いません」
『マジ!じゃなくて本当ですか?』
「ただし、あなた一人の要望に学校がいちいち対応するのは他の生徒の手前ムリがある」
『えー』
「せめて、少なくともクラスの過半数くらいの同意は得てきてください」
『めんどくさい(ボソッ)』
「なに?」
『あ、はい、わかりました』

といったようなやり取りがあったとのこと(また聞きなので、会話内容は不正確)。

 

そして彼女は、悩みに悩んだ挙句、ほとんどハッタリな大風呂敷を広げ、強硬手段に打って出たのです。

 

ちょっと待てーーー!

音楽の先生はどうした。
協力を得ることに成功したじゃないか。
私のおかげだろ。

 

『うん、すごい優しかった』
「そりゃそうだ、そんで?」
『“おっちゃん” もママも知らなかったよ』
「え?????どゆこと」
『去年来たばっかだって、やさしいしイケてるし、女子に人気あるよ』
「な、、、おとこ?」
『そーだよ、“おっちゃん” の歳の半分くらいだよ』

 

やめてーーーーーっ!

 

前任は、確かに女性だったそうです。
男子に相当人気があったとのことなので、間違いないなく彼女です。
でも退職してしまい、後任として今の先生が着任したとのこと。

長年勤めた女性教師が退職って、、、。
もう、あれしか理由はないじゃないか。

『“おっちゃん” 前の先生好きだったの?』
「うるさい!ヘラヘラしながら聞くな!」
『ママに探ってもらおっか?』
「やめて、余計なことしないで」
『でも家知ってんでしょ』
「アパートに住んでて、いつだかどっかに引っ越したんだよね、ハガキ来てたんだけど、、、」
『じゃあ、ママが知ってるよ』
「そうだな、って、いい、うるさい、忘れてくれ」
『別にいいけど、ちゃんとケイタイ番号渡しといたかんね』
「はぁぁ?誰に?」
『音楽の先生』
「え?えーと今のイケメン先生?」
『そーだよ』
「げっ!なんで!!!お前、頭ん中どーなってんの?相手もビビるだろ、妙なこと勘ぐるだろ」
『だって渡せって、、、』
「そのくらい察してくれよ、、、」

 

目の前で、桃や梅の蕾が膨らみ、ウグイスがそろそろ恋の歌の準備を始め、アブラナが食べごろになり、“りょう(愛猫)” が冬眠から目覚めそうなカエルやヘビを狙って裏山に入り浸り、コブシの巨木が年に一度の晴れ舞台の準備を整えている、そんなの、そんなもの一気に消し飛んでしまうほどの極上の春の足音が聞こえていたのに。

 

id:okko326 さんが仰るとおり、ウチの棚の上には、ボタモチはただの一つも置いてなかったようです。
春の彼岸なんて無視して、一年中置いておけばよかった。。。

 

運命の3日目。

姪っ子は、私の想像をはるかに超える行動を起こしました。
先生呆然、職員室騒然、そして、勝利。
担任の先生、、、ごめんなさい。

 

とりあえず今は姪っ子なんて、どーーーでもいい。

 

時は得難く失い易し。

 

しくしく。。。

 

ヤケ温牛乳中、、、。