覚馬伝
遅まきながら、録画していた「覚馬伝」第6回を観ました。
ごめんなさい、「八重の桜」です。
面白い。
スキです。
ここまでは、「八重」の物語というより、恐らくは前半のクライマックスとなるであろう会津戦争への長い長いプロローグ、といった趣。
会津藩はなぜ破滅への道を辿ったのか、辿らざるを得なかったのか。
「八重」のあずかり知らぬところで、刻々と変わる幕末の動乱期が歴史教科書を見るがごとく比較的史実に忠実に、生き生きとした会津の人々と共に丁寧に描かれて行きます。
回を重ねるごとに、おなじみの人物たちが続々登場し、いよいよキナ臭さを増してきました。
会津の方々みんな本当に魅力的で、それ故に、すぐそこまで迫っている悲劇を思うと今から胸が痛みます(狭心症じゃないですよ)。
役者たちも全体的に抑えた演技が目立ち、それがかえって静かな緊張感を生んでいます。
今のところ「龍馬伝」の「香川照之」が演じた「岩崎弥太郎」や「近藤正臣」が演じた「山内容堂」のような突き抜けたキャラクターは存在しません。
この後も誰が登場し、誰がどう演じるのか、楽しみは尽きません。
でも、きっと「龍馬」は出ません。
多分接点がないし、「龍馬」とは逆、幕府側の話が中心なので。
当然触れられるであろう薩長同盟でもスルーされると思います。
だって役者さん、“福山龍馬” のインパクトがいまだ冷めやらぬ中、「龍馬」を演じるなんてイヤ過ぎるでしょうから。
全体的に役者は概ねハマっていると思います。
「慶喜」と「春嶽」の「ダース・ベイダー」と「ダース・シディアス」な感じの絵面が面白い。
「村上弘明」の不気味さがイイです。
そして、なんと言っても、今のところ主役は「山本覚馬」ですね。
とにかく、演じる「西島秀俊」が抜群にイイ。
優しくて生真面目、悪く言えばお固い、それでいてときに藩の行く末を案じ激昂する、そんな熱い心を秘めた静かなる男を好演、いや、熱演しています。
ちょっとはにかむように微笑む様なんてもう、キャーーー!カッコイイ!結婚してくれ!
次回、とうとう上洛しますが、その後の彼の運命を思うと、今から心が痛みます。
そして、もう一人「松平容保」。
これまた、演じる「綾野剛」がイイ。
まったく存じ上げませんでしたが、似てますね、有名な「容保」の写真と。
初回に、“会津家訓十五箇条” が結構な時間を取ってじっくり披露された時点で、ああ、この後、彼の苦悩に満ちた表情を何度も見ることになるんだな、と察しました。
ねえ、「容保」、、、
家訓が表された時と時代が違うんだよ、
もっとフレキシブルに、アバウトになれよ、
「覚馬」同様固すぎなんだよ、
会津の人々はとっくの昔にあなたを藩主と認めてるよ、
そんな気張るなよ、
まだ20代半ばだろ、
あなたのその実直さが、生真面目さが、結局は会津を破滅に導くことになるんだよ、
あなたを見ていると、なぜか不憫で、知らず知らず涙が頬を伝います。
たった第6回にしてこの展開。
今後、当然のことながら、どんどん血なまぐさくなるはずです。
特に、上洛した「覚馬」は、凄惨を極めます。
そして、会津戦争、あの生き生きとした会津の人々が、男も女も過酷な運命に飲み込まれていきます。
死す者、離別する者、それぞれが思い描いていたであろう未来が、ことごとく破壊されます。
あまりに急速で残酷な時代の流れを肌で感じつつも会津の田舎(失礼)で悶々とするしかなかった「八重」の、たまりにたまった多くのハテナマークが、コツコツと積み上げてきたスキルが、理不尽な新政府軍に牙をむく。
多分5月頃かな。
カタストロフィです!
時折映る猪苗代湖と磐梯山の優美な姿を見るたびに、胸がしめつけられるおもいになるのは、私だけではないはず。
ちなみに、劇中音楽を担当している「中島ノブユキ」氏は、我が群馬県出身で、“新島学園” の卒業生です。
今回、「八重の桜」の音楽を引き受けるに当たって、母校の教会に設置されているパイプオルガンも使用したそうです。
そういえば、「ももクロ」の「サラバ、愛しき悲しみたちよ」の作者、「布袋寅泰」も “新島学園” だったはず。
彼は、母校の枠には収まらず、早々に飛び出してしまったようですが。
うーーーん、、、今後、京は戦場と化します。
だれか「覚馬」を助けて!!!
バカだけど、歴史に無念!!!