鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

結局、一人相撲

先日、メガネちゃん(我がピアノ教師)と食事に行き、それをピアノ教室のレッスン時間待ち仲間の小学生低学年女子の内の一人に目撃され、先週のレッスンでその話に触れられるのを回避するため彼女たちのレッスンが始まるのを見計らって教室に入るという姑息な手段に打って出ました。

 

ところがバレンタインの義理チョコを渡そうとしていたと後で知り、自分のあまりの小ささを痛感し自己嫌悪に陥ったのですが、今日はそんなことがあってから1週間、なんだか喧嘩相手に久しぶりに再会するような非常にバツの悪い心持ちでレッスンに行きました。

 

待合室にはいつもの二人、ゲームばかりやっていて一言もしゃべらない子と教本に首ったけでエアピアノに余念がない子。
もうひとり、老紳士はいませんでした。

 

私をジッと見つめている二人に、まずは先週の一件を詫び、お礼と頂いたチョコが可愛かった美味しかった(事実)旨伝えると、両人とも満面の笑み。

ホッ!

第一関門クリア。

 

ゲーム少女は何事もなかったかのようにゲームに戻り、エアピアノの子が早速私に話しかけてきました。

来た!
覚悟!
“いい訳砲” 発射準備OK!“とにかくこの場をテキトーに回避モード” 発動!

 

『おじさんと先生が行ったお店わたしのお家も行くの』

早速だ!

「あ、そ、は、へーーー」
『美味しいよね』
「うん、すごく美味しかったよ」

ゲーム少女を見ると、若干 “ニッ” としたような。

『わたし、あのお店好き』

と言ったきりニコニコしながら私を見ています。
え?そんだけ?
なに?その極上の笑顔は?

頻繁に頭を振り、目線を移動させながら、踊った髪をサッと手で直す。

 

?????

 

救いを求めるようにゲーム少女を見ると、ニヤニヤしながらしきりに髪の毛をいじっています。

え???
なに?

 

あーーーーー!!!
髪型!全然違う!
肩甲骨の下までは有にあったであろう髪が肩ほどになってる。

 

「○○ちゃん、髪切った?」
『はい!!!春なので!!!気に入ってるの!!!』

 

すごいテンション。

 

「へー、すごく似合ってるよ」
『ありがとうございます!!!』
「いえ、嬉しそうだね」

 

えーと、私とメガネちゃんが食事していた件はどーしたの?

 

『ママがね、新しいピアノ買ってくれるの』
「お!凄いね」
『今、アップライト(縦型ピアノ)だけど、グランドにしてくれるの』
「グランド買うの?部屋広いんだね」
『ピアノ用のお部屋があって、音が外に出ないんだよ』
「セミコン(学校などによくあるフルコンより一回り小さいタイプ)?」
『はい、おじさんピアノ詳しいね』

 

すげー、セミコンなんて今でも多分150万以上、いやもっとするぞ。

 

「これでも元楽器屋だかんね」
『ほんと?疲れたからやめたの?』
「へぇぇ?どうして?」
『いつもくる○○さん(彼女のウチを担当している楽器屋の営業マンらしい)ママに叱られてばっかりだから』
「そうなんだ、でもわたしは違うからね」
『はい』
「よかったね、いっぱい練習して音大行って、先生になるんかな?」
『違います(キッパリ)、ピアニストになります』
「おお!クラシック?」
『ジャズです』
「・・・ジャズなの?」
『はい、上原さんになるの』
「上原?上原ひろみ?」
『おじさん、上原さんと知り合い?』
「まさか!」
『親しくない人を呼び捨てにしちゃいけないんだよ』
「あ、、、ごめんなさい」
『去年のコンサート行きました、泣いちゃいました、あんな人になりたい』

 

ひえ!去年メガネちゃんと行った「上原ひろみ」のライブ、会場内のどっかにいたんだ。
小学生で「上原ひろみ」観て泣くなんてすげーな。
怖くて泣いたんじゃないだろうな?

メガネちゃん曰く、この子は非常に優秀で、ご両親の意向によっては、より高度なレッスンをおこなっている埼玉や東京の教室を紹介することも考えているそうです。

 

『おじさんは何になるの?』
「え???もうとっくになっちゃってるんだよ」
『そっかピアノは遊びだって、わたしは大人になったときのお仕事のために頑張ってるの』
「そんな先まで考えて、、、ピアノ好き?」
『はい!大好き!』
「いいね!」

 

そして、少女二人は時間が来てレッスン室へと向かいました。

 

は・は・は・・・、バカみたい。

 

私がメガネちゃんと食事していたのなんて微塵も興味なかったようです。
一人相撲。

もうすぐ50にもなろうというおっさんが、自分の年齢の5分の1以下の少女に対して何をとっちらかしてるんだ。

どっちが大人なんだかまるでわからない。。。

恥ずかしい。

彼女の興味は、おっさんがあれこれ気を回している隙にとっくに、その先に行ってしまっていたようです。

本当に1週間経って興味を失ったのか、はなから興味なんてなかったのか?、それとも気を遣ってくれたのか?
その程度の気は遣いそうな子らだ。

 

でも、ホッとした。

 

いずれにしても、二人!、ありがとう、先週の私の愚かさを思い知らされたよ。

 

WBC、打てな過ぎ!
3連覇大丈夫か?
長野ーーー!
頼むよ、G組。