鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

きたえーる 準備淡々?若干波乱?

数日前、電車で取引先まで行った帰り、高崎からウチの最寄り駅まで向かう列車に乗り、すいていて半分ほどしか埋まっていないシートに身を委ね、書類を眺めていると、私の真横にピッタリと身を寄せて座ってきた人間がいました。
車内はボックスシートのない一列のタイプ。

 

席は余裕で空いている、チラッと横目で斜め下を見ると、スカート、明らかに高校の制服、目を書類に落としたまま上目遣いに周りを見回すと、、、みんながチラチラとこちらを見ている。
チョットーーーッ!車両内の視線を芸能人並に集めてしまっているじゃないか。

 

私は身長こそ目立つけど、いい男が集める視線とは無縁なはず。
男性まで見てたし。
ひょっとして犯罪者や変態を疑う視線?

 

隣に座ったヤツ、何だコイツ、と思いつつ無視を決め込んでいると、私が目を落としている書類の上に見慣れたお店の袋がドサッと置かれ、えっ、、、何?心臓止まるかと思いました。

何事?

でも、このほんのり香る親近感。

 

はい、ご想像通り、姪っ子(高2)でした。

コイツと電車内で遭遇するなんてホント片手で数えるほどしか経験がない。
見ると悪戯っぽい薄笑いを浮かべています。

 

「お前、やめろ、ひっつくな」
『なんで、いーじゃん』
「よせ!変な誤解されるだろ!」
『意識し過ぎだよ、誰も見てないし』

見てるよ!
もう、車両中に聞こえるように叫びたかった、“この子は身内で、姪なんですよ” と。
女子高生という微妙な年代は何かと世間を騒がすので、おっさんにとっては鬼門なんだ。
触らぬ神に祟りなしなんだ。

「お前、遅いじゃんか」
『うん、“しまむら” 行ってきた』
「ああ、これ服か」
『うん、札幌行く服だよ』(ももクロの札幌公演)
「ああ?わざわざ札幌コーデですか?」
『そーだよ、ママがねももクロじゃない人に会うんならちゃんとしてけってお金くれた』(プチオフ会)
「へーーー、無駄な抵抗だと思うけどな」
『“おっちゃん” もおしゃれして行きなよ』
「言われなくたってしてくし」
『真っ黒じゃないよね』
「お前には関係ねえ」
ももクロんときはちゃんとしてね』
「ちゃんとするもなにも、いつも通りだよ」
『そろそろ、かなこレッドでキメて!』

ぐっ!声デカイ!
何人か “おっ!” てコッチを見たぞ。
もう “ももクロ?なんのこっちゃ?” な時代はとうの昔に過ぎてるんだからな。

「それはムリ、だいいちかなこ推しじゃねえ」
『えーーーっ!かなこだよ』
「違うって」
『じゃあ、あーりん?』
「いや」
『ももか?れにちゃん?』
「さあ、、、」
『しおりんはやめてね』
「誰推しとかないの、だからいつものカッコでいいの」
『あんなメタル行くみたくなカッコ目立ってしょうがない』
「べつにいいだろ」
『あんなカッコしたおじさんが “かなこーーー” とか叫んだらビビるし』
「はぁ?叫んだことなんかねえ」
『横アリでおっきい声出してたじゃん』
「出してねえ」
『出してた』
「出してねえって」
『アンコールでベソかいてすんごいおっきい声で、』
「うるさい、やめろ!」

 

ぐへっ!ふと我に帰り周囲を見渡すと明らかにみんな笑いをこらえている。
若者なんか、“続きはよ!” な目でじっとこちらを見ている。

はぁぁぁぁ、、、やってしまいました。
いつもこうなる。
ライブに行って物販列に並んでいてもすでに恒例。

同じ車両に乗っている十数人の乗客の方々にフリーの素人漫才を披露してしまったようです。

 

寒いのに冷や汗だらだらで最寄り駅に到着し、逃げるように改札を出て、一気にウチまで自転車を飛ばしていると、余裕で姪っ子が追いついてきて、

「なんだよ、遅いからウチ帰れよ!」
『ばあちゃんに用があるの』
「なに?」
『服お直ししてもらうの』
「そんなのママにやってもらえ」
『ママ、忙しいし、ばあちゃんのほうが上手』
「勝手にしろ」
『“おっちゃん” しまむらの袋持って』
「ヤですぅ」
『左手まだ痛いんだから』(スキーで左手首を捻挫した)

ということで、ウチまでついて来てしまいました。

 

「お前さ、手首まだ痛いの?」
『うん』
「そのサポーター、カッコイイからしてるだけじゃないだろな」
『違うよ』
「ちょっと時間かかりすぎだな、明日もう一回医者行け、連れてってやるから」
『いい』
「なんで」
『いいの』
「だって、もう1週間経つのにおかしいだろ」
『いんだよ』
「ん?なんかしたろ?」
『・・・・・バスケした』
「んったく、バカか」
『だってみんなやってるのに見てるの悔しい』
「そんでまた痛くなったのか?」
『うん、バレーはヤバいけどバスケはへーきだと思ったの』
「念のため医者行け」
『いーよ、ママに怒られるし』
「内緒で連れってってやるから」
『うん』

 

まったく、何考えてんだ。
もう、運動と競うことにはめっぽう目がないヤツです。
1時限見学するだけで、負けたとか思っているのかもしれません。
呆れてものが言えない。

 

そして、ばあさんに、買ってきた服のお直しを頼んでいました。

 

ばあさんびっくりして、“ほえー、こりゃ随分洒落た服だね、ママの?” 。

 

だって、白いんですよ、白。
あり得ない。
コイツに白なんて絶対似合わない。
己を知れ!!!

 

ちょっとカシミア・チック(あくまでチック)の真っ白いワンピース?
手触りが良さそう。

そして、これも真っ白で毛足の長いふわふわな丸い帽子(なんて言うのかわからない)。

さらに、別の店で買ってきたと言う、白いショートブーツ、白いモコモコが付いてる。

 

ギャーーーーー!!!やめてーーー!

これって、メガネちゃん(我がピアノ教師)が昨年末の「ももクロ」SSA公演や先日食事に行ったときに着ていた極上のホワイト・コーデのパクリじゃんか。

 

お前とは世界が違う。

 

「なんで白?」
『北海道は白だよ』
「もう雪ないんじゃないの」
『いーの!札幌の人に負けないように白で攻める』
「いみふ、、、ってか上何着るんだよ、白いのなんて持ってないだろ」
『コート、しおりんイエロー』
「はぁ?ぎゃはははは!黄色のコート着ちゃったら真黄色じゃんか」
『うるさいな、お店とかで脱げば白でしょ』
「まあ、いいけど、札幌の人、そんな白ばっか着てないと思うぞ」

 

ももクロ」札幌きたえーる公演、随分と気合が入っているようです。
当然私もです。

 

フフフ、後ちょうど1ヶ月、バカ二人が札幌に乗り込みます。

 

私も “しまむら” 行って来よ!

 

きたえーる決戦、準備は淡々と進んでいるようです。
あ!作戦名考えてない、早急に対処しないと。

 

ん?ってか、姪っ子よ、札幌の前に名古屋があるの忘れてないよね。

 

ある日の夕方からの、どうでもいい出来事でした。。。