鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

卒業

 

少年少女たち、みんな卒業おめでとう。

 

私には子供はいないけれど、毎年この日になると心の中にはやさしい春一番が吹き(今日は本当に吹いたけど)、目にはいよいよ目覚め始めた見慣れた景色の、その生が一気に輝き出す様が映ります。

そして決まって「Up Where We Belong」がどこからともなく聞こえてきます。

 

君たちは、自らが光り輝ける場所を求めて新たな旅へと一歩を踏み出します。

道はまだまだ遠く、行く手には山もそびえているでしょう。
でも、毎日少しずつ登っていけば、必ずある、君だからこそ光り輝ける場所が。
君が居るからこそ光り輝く場所が。
そこにはきっと澄んだ風が吹いていることでしょう。
[元ネタ:Up Where We Belong]

今はひとまず、頑張りすぎず、一人で悩まず、親に頼り、わがままを言い、迷惑をかけ、その場所を共に探していけばいい。
すでに決まっているなら共に目指せばいい。
宇宙で一番君を理解しようとし、君の幸せだけを願っているのは、何があろうと親だよ。
親に遠慮なんかいらないよ。
だって、親だもの。

 

でも、我々大人は、光り輝ける場所を見つけづらい世の中にしてしまっているよね。
ごめんね、もっといい国にしようと誰もが思ってきたはずなんだけど。

でも、みんな決してあきらめてはいないはずだから。

 

君たちが、本当に生まれてきてよかったと、ご両親に生んでくれて、育ててくれてありがとうと、心の底から思える未来があることを心より願っています。

 

おめでとう。

 

今日夕方、近所の姪っ子(高2)の幼馴染のクソガキ、もとい、男子高校生がやって来て、

『○○(私)さん、卒業したよ』
「あ!お前高3だっけか」
『うん』
「よく卒業できたな」
『これ』

と言って、CDやらDVDやら本やらを持ってきました。
ぐへ!コイツこんなに持ってってたのか。

「どうした」
『大学いくからさ、返しとく』
「へー、お前大学いくの?知らなかったよ、お祝いやんねーとな」
『いーよ』
「どこ?下宿すんの?」
『うん、どこだかは教えない』
「なんだよ、どーせすぐわかるで」
『あのさ』
「ん?」
『もう○○さんと遊んでやれないから』
「はあ?どっちがだ」
『じゃあ、借りてたの返したからね、●●(姪っ子)によろしく』
「おい、ちょ、待てよ、、、」

さっさと帰ってしまいました。
卒業式のその日に、なんだ???なんだったんだ?????

 

彼は、幼い頃、山に川にと飛び回り悪戯三昧していた悪ガキグループの一人。
気が短い子ではありましたが、目下の子の面倒はよく見るやさしい子でした。
姪っ子もそのグループの一員で、彼女だけには手を焼いていたようですが。

 

近所を騒がすクソガキがまた一人減るようです。
ちょっとだけ我が田舎が静かになります。

 

今日、姪っ子は随分遅い時間になってやってきました。
買ったばかりの「ももクロ 秋の二大祭り」のBDを徹夜で観まくるのだそうです。

 

ところが、ちょっとテンション低くてどうしたのかと思ったら、“あと1年で卒業だよ、もう、ずっと高2ならいいのに” とのことで、先輩の卒業に感傷的になっていたのかと思いきや、もう自分もたった1年で卒業なんだという現実を突き付けられ若干落ち込んでいたのでした。

 

「さっき、○○(さっき来た男子高校生)来たぞ」
『何しに?』
「CDとか返しに」
『ふーん』
「アイツ大学だってよ」
『ふーん、よく受かったね』
「下宿するんだと、おめでとうぐらい言っとけよ」
『えーーー!』
「散々遊んでもらったろ」
『違うよ、あたしが遊んでやってたんだよ』
「そーゆー意地いいから、な!」
『後でメールしとく』
「メアド知ってんだ」
『んーん、でも●●(隣の姪っ子と幼馴染の男子高校生)に聞けばわかる』
「悪態つくなよ、喧嘩するなよ、ちゃんとお祝い言うんだぞ」
『わかってるよ、うるさいし』

 

こんなヤツでも来年の今日には卒業です。

 

進路はどうするのか全くもって未定ですが、ただ一つ言えることは、まず間違いなく我が家は静かになる、父と母のことを考えると、それで平和になるのか否かはわかりませんが。

 

子供もいないのに、なんだか妙に卒業式な日になりました。

 

ちなみに、テレビ番組のレギュラー出演者が降板したり、音楽などのユニットのメンバーが脱退するのを卒業と称するのがどうしてもしっくりきません。

プロとして仕事でやってたんだから卒業じゃないでしょう、やっぱり、降板であり脱退でしょう。

 

しまった、春の良き日にグチってしまった。
ごめんなさい。

 

姪っ子よ、あと1年、自分のペースでガンバレ。