鉛の風船

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バタヤンの構え

昔、ギターを高い位置で構えることを “バタヤンの構え” と言った。

高めに構えているヤツには “バタヤンか?!” と容赦なくツッ込んだ。

 

弾きにくいとかそんなのどうでもよく、とにかくギターは低い位置で構えるほうが断然カッコよかった。

立ち姿だけなら「グレン・ティプトン」や「スティーブ・ハウ」より「ジミー・ペイジ」や「ピート・タウンゼント」のほうが抜群にイカしていたのだ。

 

「バタヤン」がどんな人かなんてまったく知らずに、まったく興味もないのに、その構えだけを面白がっていた。

 

彼の名前が実は「田端義夫」だというのを知ったのも随分と後になってからだった。

 

そんなわけで、高校の頃から「バタヤン」という愛称にだけは馴染みがあった。

 

R.I.P. バタヤン