鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

犯人と犯人さん

今日、地元のスーパーで買い物をし、店の横の駐輪場に止めてあった自転車に乗り、帰ろうと漕ぎ出して少ししたときでした。

人々の喧騒を切り裂くような大声が突然周囲に響き渡りました。

 

『止まりなさい!ダメよ!』

 

思わずブレーキをかけ、何事?と思っていると、

 

『黒いシャツの男、止まりなさい!!!』

 

更なる大声が響き渡り、周りにいた若干の人らが私を見る。
何?私黒いシャツだけど、それが何か?

 

『誰か、その男!!!』

 

周りにいた男らが私をにらんでにじり寄ろうとしている。
え?ちょっ、やめてって。

とそこへ、まさに私の目の前に、人々をすり抜け初老の男が飛び出してきました。
ちょうど自転車に跨ったままその男の進路をふさぐような形になり、え?どうしよう?と思っているとその男はなんと私を見るなり立ち止まり、はぁ~~~っと深いため息をついたのです。
こりゃダメだ、と諦めでもしたような感じで。

 

そして直後、中年の女性と男性が現れて、その男を確保して行きました。
去り際に、

 

『お騒がせしました、ご協力ありがとうございました』

 

と言い残して。
明らかに万引き犯と保安員(て言うのかな?)。

 

周りの人たち、急に笑顔で私を見て、おお~~~、パチパチパチ。
いや、私は何もしてないから。
それより、さっきまでみんな私を捕まえようとしてなかったか?
そりゃ “止まりなさい” の声に思わずブレーキをかけてしまったよ。
そりゃこんな暑い日に黒なんて着てる私が悪いよ。

 

でもそんなことより何より、私が悔しいのは、万引きじじい、なぜに私を目の前にして急に逃亡意欲を喪失した?

 

その場所まで、人々をかわして逃げてきたのだからそのまま全力ですり抜けて行けばよかったじゃんか。
たぶん皆呆気に取られて手は出せなかったと思うぞ。

私、そんなに怖いか?
そりゃ、あんたよりはだいぶデカイよ。
人相もまあ、けっして優しそうではないよ。
目つきも悪いかもしれない。

でもガタイがいいわけではないし、これでも一応、れっきとした “ヘタレ” なんだぞ。

 

もう何が悔しいって、あんたに一瞬でビビられたのが悔しくてショックで、クソじじいめ。 ← そこかよ!!!

 

薄利のスーパーにとっては100円、200円だって死活問題なんだ。
この鬼畜じじい。
生活に困っていたりするのかもしれませんが、窃盗を正当化する理由なんてない。

万引きなんて軽そうな語感がいかんのです。

知り合いの楽器屋なんて、その被害とその対策のための経費で、何のために商売をしているのかわからないと、会う度嘆いています。

 

そういえば、ウチの金柑の実も、そろそろ食べ頃かなと思っていた矢先、ほんの数日ですべて消失してしまいました。
食い散らかしてない、下に少しばかりの皮が落ちていたりもしましたが、もう、綺麗に、拍手を贈りたいほどに、1個残らず。

 

犯人は誰だ。

 

鳥?

基本的に夜は飛ばないし、白々と夜が明ける頃には父が起き出して家の周りをウロウロしているのでそれはないと思う。

ハクビシン

中型の動物が現れると、我が愛猫 “りょう” が、どんなに熟睡していても突如覚醒して騒ぎ出すので、それもない。
基本的にハクビシンであれ何であれ、獣の気配がすれば “りょう” が黙ってはいられなくなるので、哺乳類である可能性は低い。

ヘビ?

金柑なんか食わない。

じゃあ、“りょう” が(ビビって)騒がず、器用に小さな実を食い尽くすヤツ。
サルかクマくらいしか思い浮かばない。

 

でも、クマはともかくサルなんて何年も見ていない。

とすると、クマか?
夜中、目と鼻の先の庭の一角で、日本最大の哺乳類が、金柑をパクパク食べていたのか。
ヤツら甘いもの好きらしいし。

ちょっとカワイイかも。

 

ばあさんの金柑ジャム計画は来春までお預けです。

一緒に作ると息巻いていた姪っ子(高3)、ガッカリ。

 

来春は早い内に3分の2くらい収穫して、あとは犯人さんに残しておけばいい。

 

意味は違うけど、天使の取り分です。