鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

騒ぎの元凶は誰だ?

ここ数日の湿気がハンパない。
ジメジメ、ネトネト、ムシムシ、人間には不快極まりない環境ですが、自然界にはこれを快適と感じ、活発に動き出すヤツらも少なからずいて。

 

昨夜、私の部屋兼仕事場で夕食後のまったりとした時間を過ごしていたとき、ちょっとした騒ぎがありました。

 

私は、デスクで翌週必要な書類の整理をし、泊まりに来ていた姪っ子(高3)は最早彼女専用と化した遊び用のPCで何やらカシャカシャやっていました。

私の後ろ少し奥のベッドでは愛猫 “りょう” が寝そべっています。

平和な時間。

 

しかしそれもほんの束の間、途中で母が入ってきて、洗濯物のタオルケットをベッドの上に置いていった直後、静寂は一気に打ち破られたのです。

最初に気付いたのは姪っ子でした。

 

『“おっちゃん” 見て』

 

と、ベッドのほうを目で指します。

見るとさっきまで熟睡していた “りょう” がいつの間にか覚醒し、畳まれたタオルケットと格闘している。
耳をピンと立て、様子を伺い、突然飛び付く。
ネコパンチを繰り出し、重なりをといていく。
完全にハンティング・モード。

 

「アイツ何やってんの?」
『なんかいるんだよ』

と、興味津々な表情。

「え?なんかって?」
『さぁ~?』
「さぁって、ちょっと、オレあれで寝るんだぞなんかいたらマズいだろ」
『“りょう” がとるからへーき』
「いやいや、お前確認しろ」
『んー、今いそがしい』

 

くっ、、、しょうがないので、片手で “りょう” を抱え、もう一方の手でタオルケットをそっと広げ、ようとしましたが、“りょう” が、体をくねらせ低い声で唸りながら激しく抵抗するのでうまくいかない。
明らかに “獲物を横取りするな!” と訴えている。
いつまで抱えているとネコパンチが飛んで来かねない。

 

「おいっ! “りょう” 押さえててくれ」
『んもおぅ、、、』

 

姪っ子に “りょう” を預け、改めてタオルケットを慎重に広げていきました。
一重づつじっくりと。
そして、、、。

ギャーーーッ!!!

ムリ、絶対ムリ!

 

f:id:zepp69:20130616013816j:plain

 

ムカデです。
ツヤツヤしたボディー、真っ赤な頭と足、有に15cmはありそう。
大抵の虫はなんでもない私ですが、コイツは、コイツだけは苦手。

数年前に咬まれて、壮絶な痛さと発熱に苦しめられた経験はトラウマと言っても過言ではない。
もう一度咬まれたらアナフィラキシーショックとかあるんじゃないか、そんな恐怖も付きまとう。
仮にそれはなくてもあの痛さは二度とごめん。

すかさず手近にあった雑誌を丸め、叩こうとするも、姪っ子が。

 

『そんなふかふかなとこで叩いても効かないし』
「殺虫剤持って来い、早く」
『ちょっと待って、シーーー』
「ん?」
『写真とる』
「はあ?バカ!そんなんいいから」

 

と、そこへ彼女が確保しているはずの “りょう” が飛んできたので慌てて押さえ、姪っ子は、と見るとのんきにカバンの中をガサゴソやっている。

 

「いい加減にしろよ」
『あった!』

 

で、カメラを手に写真を撮ろうと彼女が近づくやいなやムカデが急に動き出し。

 

『動くな!』

 

ぎゃはは!バカか。
何とか一枚だけ撮れ、それが、上の写真です。

 

「ムカデどうした?」
『またもぐった』
「ええ?逃げたの?」
『まだこん中にいると思う』
「見張ってるから “りょう” 部屋から出して殺虫剤持って来い」

 

そして戻って来た姪っ子とまた慎重にタオルケットの折り目を広げていきました。
部屋の外では “りょう” が中に入れろと大声で鳴いている。

ほどなく彼女が発見し。

 

『いた!』
「よしっ!殺虫剤!」
『ない!』
「・・・あああ?!」
『殺しちゃかわいそう』
「ふざけんな、咬むんだぞ」

 

と、次の瞬間、彼女が、いつの間にか手にしていた紙で、アッと言う間に捕獲し、縁側のサッシを開けるとそのまま外に放り投げてしまいました。

直後にまたしても “りょう” が飛んできて。

 

「だぁー、誰だよ、中に入れんなって言っただろ」
『じいちゃんでしょ』
「んったく」

 

姪っ子は、何事もなかったかのようにPCに戻り、諦め切れずにタオルケットの辺りを捜索している “りょう” をニヤニヤしながら見つめています。

 

「お前!ムカデなんかかわいそがるな」
『誰も咬まれなかったし、ムカデも外に逃げられたし、いいじゃん、誰も損してない』
「はあぁぁぁ~、また入って来るかもだろ」
『ムカデなんか滅多にいないからへーき』
「その滅多にがヤバいんじゃんか」
『ムカデさあゴキの天敵だよ、あんまり殺すとゴキ増えるかも』
「ウソでしょ」

 

まったく。。。
仮にも女子高生なんだから、ムカデを見たら黄色い声の一つも上げてほしい。

 

ちなみに、人間が咬まれるととんでもないことになるムカデですが、猫は平気です。
たまに “りょう” が外でムカデをもてあそんでいることがあるのですが、ネコパンチを繰り出し咬まれたりしてもその瞬間だけ “痛!” て感じで前足をピピピッと振るだけで、すぐに新たなパンチを繰り出しています。

チクッとするくらいなのかもしれません。
すげーな、猫。

 

って、まさか、“りょう” だけじゃないよね。

 

部屋に平和が戻り、私も書類の整理を続け、つづ、え?

 

いーーーやぁーーー!!!

 

署名の入った重要な書類がクシャクシャで、しかも変なシミがたくさん付いてる。
こ、これは。。。

 

「おまえーーー!この書類でムカデつかんだろ!」
『え?紙?ちょうど手のとこにあったから』
「・・・・・」
『何?』
「もういいです、、、」

 

うるうるうる。。。