鉛の風船

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Mちゃんの災難

姪っ子(高3)の親友に “Mちゃん” という子がいます。
姪っ子がすでに名前はさらしちゃってますけど、一応伏せます。

 

この “Mちゃん” が今日、災難にあったのだそうです。

 

彼女は、姪っ子とはすべてが正反対な子で、よくあんなヤツと仲良くしてくれているなと常日頃から感謝しています。

おっとりしているというか何だかいつもポーッとしていて、明るい子ではあるのですが、運動は大の苦手、本が好きで漫画、小説問わずよく読んでいて、できれば目立ちたくない、学校からすれば、成績優秀、真面目で大人しい子、もう何から何まで姪っ子とは違います。

姪っ子曰く、道端で死んで干からびてるちっさい蛾を踏ん付けただけで半べそかきながら駅のトイレで靴洗うし、電車の中で「とんび」読みながらまた半べそかく、そんな子だそうです。

感受性が豊かなのかな。

学校によってはイジメのターゲットになってしまいそうな子です。

で、イメージ通りのメガネっ子です。
ぐへへへへ、いーな、姪っ子よもっと連れて来い。 ← やめなさい!はい。

 

その “Mちゃん” が今日、学校の帰りに立ち寄ったお店で万引きを目撃してしまったそうです。

 

このお店というのは駅から程近くにある、なんていうのでしょう、低価格のアクセサリーや化粧品、小物などを売っているティーン女子向けの雑貨屋?、ファンシー・ショップ(古い?)、そんな感じのお店で、中高生にはそこそこ人気があるそうです。

姪っ子は “あんまり行かない” とのこと。
そりゃそうでしょう、逆にそういうとこに毎日通うような子であって欲しいわ。

 

“Mちゃん” はこのお店の商品を眺めているだけで幸せ、な子だそうなのですが、いつものように何を買うでもなくほんわかした気分に浸っていると、目の前で他校の女子高生二人が目にも止まらぬ速さで、口紅、リップをごっそりとバッグに突っ込み、アッと言う間に出て行ったのだそうです。

呆気に取られる “Mちゃん” に “てめー黙っとけよ!” な怖い目を向けて。

 

当然半べそ気味の “Mちゃん” は、店長さんに目を向け、そして出てった二人に視線を移し、ただならぬ様子にピンと来た店長さんはお店の人に警察を呼ぶよう言って店を飛び出して行ったそうです。

店長さん、見事に二人を捕まえてきて、ほどなく警察も来て、この二人は実はこのお店における前科2犯で、今度やったら有無を言わさず警察を呼ぶ、と言い渡してあったそうです。

 

“Mちゃん” お手柄ですが、ここからがかわいそう。

 

到着した警察が二人を確保し、パトに乗せようとしたところで、店長さん、“Mちゃん” を指差し、

 

“この子が教えてくれたんですよ”

 

と。。。

 

お前バカかーーー!!!
犯人の目の前で通報者をバラすか?
てか、目で訴えただけでしょう。

確保された二人は、どうせ親が迎えに来て、平謝りして、一筆書いて、即シャバに戻ってくる。
他校の生徒とはいえ、同じ駅を利用しているのですから彼女らが “Mちゃん” を見つけ出して復讐するのなんて簡単。
制服ですでに学校は割れてるわけだし。

 

さらに追い討ちを掛けたのがバカ警官。
“泥棒少女二人と一緒にパトに乗って” 署まで来て調書の作成に協力してください、と言い放ったそうです。

デリケートな年頃の子供らのこれから先への影響なんてまるで考えてない。
そもそもパトに乗せられるということ自体とんでもなく怖いはず。

 

もう、“Mちゃん” 大泣き。

さすがに持て余した大人たちは、連絡先だけ聞いてそのまま開放したそうです。

かわいそス。。。

 

きっと、“Mちゃん” は今後犯罪を目撃しても “市民の義務” という都合のいい警察の理論を果たすことはないでしょう。

 

犯人の目の前で通報者をさらす店員、犯人と一緒に来て調書に協力しろという警官、相手は子供なんだぞ、双方とも自分の仕事を手っ取り早く済ませることばかりで、常連客のこと、一般市民のこと、そんなのなんも考えてないんだな。
デリカシーの欠片もない、というか、すでに心がない。

 

店長さん、あなたのお店に憧れて毎日のように通っていたらしいカワイイお客さんが一人減ったよ。

 

“Mちゃん” の代わりにもし姪っ子だったら、と思うとゾッとします。

 

展開が読めないので。

 

店長さんに文句言いに行くと言うのを一応きつく制しました。

 

姪っ子は親友がこうむった屈辱にそれはそれは怒っていたので、この後関係者にどんな災いが及ぶのかは想像もつきません。

 

私は、怖いので関わりたくありません。