鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

カーブミラーの午後

今日午後、ウチの下の道路のど真ん中に大きな、直径が普通車のタイヤほどもある光る円盤が落ちていました。

何であるかはすぐに分かりました。
カーブミラーのミラーです。
何処かのが外れて落ちたに違いない。

が、何処のが?
それがわかりません。
周辺のカーブミラーを調べてもどれも問題ありませんでした。

 

なぜにミラーが道の真ん中に?

 

これはやっぱ近所のクソガキ共の仕業だろう、と主だったところ6人を集めて問い質すも、“そんなつまんねーことしねえ” と逆襲に合い、あえなく撃沈、、、ごめんなさい。

 

ところが、その中の一人が、“今日街のヤツら来てたっけ” と言い出したのです。

 

そういえば来ていました。
午後も早い時間に、見慣れない小学生高学年くらいの男児5~6人がチャリでウチの辺りを走り回っていました。
坂道を高速で下って大声上げたり、てくてく上ってくる年寄りの脇を擦り抜けたり、何かを畑に放り投げたり。
今日学校は?と思って見ていました。

“このクソガキ共、いい加減にしろよ” と腰を浮かせかけた頃、いつの間にかいなくなっていました。

 

で、その後に残されていたのがミラーだったわけです。
もちろん彼らが何処かから持ってきて、遊んだ挙句置いて行ったなどという確証はありません。

 

でも私はホンの少し心穏やかではなかったので、要するにムカついていたので、地元ガキらに、

 

「どの辺の子?」
『○○小だよ、●●(姪っ子(高3)、ちなみにいつも呼び捨て)の学校』

姪っ子の母校の子らのようでした。

「じゃあお前ら、1,000円やるからその辺行って壊れたカーブミラー探して来い」
『ええー、警察に聞いた方が早くね?』
「へ?」

 

ごもっとも。
地元署に問い合わせると、カーブミラーが破損している連絡は今のところない、とのことでしたが、事情を話すとすぐに対処すると言い、夕方には現場を特定し、ミラーを受け取りに来ました。

“Mちゃん” を泣かしたお巡りさんとは全然違う。

ミラーは随分前に道に落ちて、案の定近所の子供らがおもちゃにしていたそうです。

 

地元ガキナイス。
今日は、一人1,000円を奮発しました。

クソッ!もう少し喜べ!

 

事は穏やかに収束しましたが、その日の夜、もう8時を過ぎようかという頃、一組の親子がウチを尋ねて来ました。
全く知らない顔。

 

何事かと思ったら、昼間の街の子チャリ団の内の一人とご両親でした。

 

なんと、ミラーが何処に落ちていて誰にどう迷惑を掛けたかなどを調べて謝罪に来たのでした。

黙ってれば誰もわからないのに。
こんなこと、みんなすぐ忘れちゃうのに。
実質何の被害も無かったのに。

あ、私は6千円失ったけど。

 

男の子にしっかりと謝罪させ、ご両親もこちらが申し訳なく思ってしまうほど自らの躾の非を詫びて行きました。
何とも気持ちのいいご家族でした。

 

別に、詫びてもらうほどの被害はこうむっていませんけど、謝罪に来たのはこのご家族だけ。

 

少年よ、君は大丈夫だ、素晴らしいご両親の元、遠慮なくスクスク育て。