鉛の風船

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容疑ネコ りょう の続き

容疑ネコ りょう」の続きです。

 

近所の男の子が近くの川でカワセミの死骸を発見し、その犯人が我が愛猫 “りょう” の仕業ではないかとじじいらに疑われ、しかし何と言うこともなく疑いは晴れ、とりあえず一件落着となったのですが、翌日の夕方姪っ子(高3)がやって来て若干騒ぎを蒸し返しました。

 

夕方、仕事をしていると姪っ子がやってくるのが窓から見えたのですが、いつになっても顔を出さない。

母に。

 

「○○来たよね」
『カバンほん投げてどっか行ったよ』
「え?どこに?」
『さあ、なんか怒ってるみたいだったけど』
「・・・」
『制服のまんまだったから急ぎの用じゃないの?』
「・・・」

 

ヤな予感。
そういう時は十中八九ロクなことを考えてない。
こんな夕方に何をやらかす気だ。

 

そして1時間以上も過ぎた頃、姪っ子から電話があり。

 

『“おっちゃん” ●●(カワセミを発見した少年)んちまで迎えに来て』
「ええ?どしたの?」
『車で来てね』
「すぐそこじゃねえか、何で車で、」
『スイカとトウモロコシいっぱいもらったの』
「お前何してんの?」
『いーから早く』

 

仕方がないので渋々行きました。
車で、歩いて数分のお宅まで。

 

着くと、庭にこの家の孫、カワセミを発見した少年ともう一人近所のクソガキがいて、私に駆け寄ってきました。
ちなみにこの家の孫は、比較的大人しい子で、近所に5~6人いる元気過ぎるヤツらとは違うので、一応、男の子や少年などと表記しています、クソガキはクソガキなので、愛を込めてクソガキと表記しています。

 

「ん?どした?」
クソガキ:『○○(姪っ子、呼び捨て)が●●(少年)のじいとケンカしに来た』
「はぁぁぁぁ?●●、マジ?」
少年:『でっかい声でじい呼んで、かあさんが風呂入ってるって言ったら風呂の窓で怒鳴ってた』
「何でお前んとこのじいさんとケンカすんだよ」
少年:『きのう○○に “りょう” が疑われてるって電話したんだよ』
「へっ?何でそんな余計なこと」

 

彼曰く、いつも川で遊んでいるが、“りょう” を見かけたことは一度もない、疑いは晴らさねば、“りょう” といえば姪っ子だ、ということで連絡をしたそうです。
ありがたいけど、そのせいで私はここにいるんだ。

 

「で、お前(クソガキ)は何でいんの?」
クソガキ:『○○がじいとケンカするの見てえ』
「ふざけんな、じいさんと○○どうしたんだ」
少年:『ウチん中でなんかやってる』
「だいいち何でお前ら外にいんだよ」
クソガキ:『怖ええ』
「バカか」

 

で、玄関を入ると、姪っ子は居間で、“きゃはははは、じいちゃんの裸見ちゃったよ” “お、そうか?” “筋肉すごい” “ああ、まだまだ動けるで、●●(私)になんか負けねえど” “おっちゃん 細いんだよ”、、、等々好き勝手なことを言いながら、なんと、、、みんなして和んでやがる。

おばさん(少年の母)が出て来て。

 

『ごめんなさいね、でも美味しいのできたから、みんなで食べて』

 

すみません。
大玉のスイカ6個、大きなトウモロコシ10本くらい、ガッツリいただきました。

 

おばさん。

 

『○○ちゃん、すっかりおねえさんだけど、変わんないねぇ、●●(私)さんも来年は寂しくなるね』

 

いやいや、清々します、スッキリします、新たな日常にリセットできます。

 

苦労して育てた農産物を丁重にいただき、“お前飲んでくか?” のじじいの声を無視して、姪っ子を回収、ウチに帰りました。

 

姪っ子に。

 

「お前さ、とっくに事は済んでるの!」
『知らなかったし』
「お前なんか出てこなくていんだよ」
『だって “りょう” が犯人にされたら大変だし』

 

まったく、じじいに文句を言いに行って、なんだかんだで結局スイカやらトウモロコシやらをせしめて来る。

 

いいか、そういうのを大人の世界では、“ゆすりたかり” って言うんだぞ。

 

そして、半分をウチに置き、残りを姪っ子の家まで届けました。

それにしてもこの2世帯住宅、日常ほとんど誰もいないのがもったいなさ過ぎる。

 

私が、ウチで姪っ子を降ろし、そのまま彼女の家に向かったのに、チャリの彼女がすでに着いていて明かりまで灯っていました。
いつもながら凄いスピード。

 

どうと言うこともない出来事でしたが、じじいどもの会話に巻き込まれ、大人な対応をし、そのまま帰って来た私と、感情のままじじいの所に乗り込んで戦利品をしっかりとせしめて来た姪っ子、、、。

 

どっちが、勝ちなんだ?
別に勝負はしてないけど。