鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

最後の砦、鼻

今日、またあの男の子に会った。
仕事帰りのある交差点で。

恐らくもう3~4回目くらい。
まだランドセルを持て余し気味な小学2~3年生くらいの子。

近くに住んでいる子なのだと思いますが、この子と信号待ちが一緒になると、いつも決まって私を見上げて、

 

“鼻、高いですね~~~”

 

と、妙なイントネーションで話しかけてきます。
そして、いつもなら、

 

“舘ひろし みたいですね~~~”

 

と、まあ、まんざらでもないことを言ってくるのですが、今日に限って、

 

和泉元彌 みたいですね~~~”

 

と、言ってきたのです。
興味津々な目で、いたって真面目に。

周囲にいた方々、クスクスクス。

く、コイツ、「ひろし」はコンスタントにドラマとか出てるからまあいい、でも、「元彌」なんて知ってんのか、その歳で。

 

そう、私は鼻が高いのです。
でもそんなカッコイイものではありません。
ダンゴッ鼻と鷲鼻の中間くらい。

若干タレ目がちなこともあって、若い頃は、“エイドリアーーーン” って叫んでくれなどと、酔席で肴にされたりもしていました。

高校くらいの頃は、若干のコンプレックスだったりもしましたが、歳を食ってからは、他のパーツとその配置が微妙なこともあって、鼻だけが最後の砦だと思っています。

 

でも、でもでもでもでも、「和泉元彌」はどーーーにも納得いかない!
いや、いい男ですよ、超イケメンですよ。

でも、、、なぜか納得できない。

 

信号が変わり、歩き出そうとした彼に、

 

「ちょっと待って」
『はい!』
「ちょっといい?」
『はい!』
「あのさ、もし、また今度会ったら “和泉元彌” はやめてくれる?」
『・・・』
「いやいや、別にいんだけど、できれば、ね?」
『・・・』
「あっ、ごめん、いいよ、信号変わるから早く行きな」
『んと、なかむらばいじゃ、』
「さっさと行けーーー!!!」

 

何者だこの子。

 

はぁぁぁぁ~~~、なんだ、このショボい日常。
田舎に引きこもって仕事をしているのだから、そんなに毎日楽しいわけもないのですが、なんか違う。

 

それを姪っ子(高3)があまり来なくなったせいだとは考えたくありません。

 

いずれにしても小学生男子、ひょうひょうとして、面白い子です。