鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

おじさんクローバーZ

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 「おじクロ」観てきました。
演出、脚本家の「鈴木聡」氏主宰の劇団「ラッパ屋」による舞台公演です。
場所は、紀伊国屋ホール。

 

倒産の危機に立たされた町工場が舞台。
従業員とそれを取り巻く悩める人々。

 

もうそれこそ次から次へと誰も彼もが、“どうしよう” 、“きっともうダメだ” 、な状況に陥っていきます。

おっさんなら、いちいち反応し、少なからず共感してしまうであろう救いようのないセリフの応酬が素晴らしい。
観ている者は身につまされ、もう笑うしかない。

そういう喜劇。

ゲラゲラ、ギャハハハハ!ではなく、ククッ、ハ・ハ・ハ・・・、時々ドッ!な感じ。

 

そして突如、“そうだ「ももクロ」だ!” になる。
あるいは、“そうだ、もう「ももクロ」しかない!” なのかも。

 

この辺かなり唐突なので、違和感を感じる方もいるかもしれません。
でも、唐突だからこそ、思い悩み葛藤を続けてきた心の内が、よりリアルに、より鮮明に映し出されます。

 

ここはたぶん、いや絶対に「ももクロ」でなくては成立しない。
あの、泥臭く、がむしゃらで、何でそこまで、な限界知らずの彼女たちだからこそ、“そうだ「ももクロ」だ!” が現実味を帯びるのではないかと。

 

聞いているコッチが恥ずかしくなるほど熱く熱く語られる「ももクロ」。
ももクロ」のファンは、なんだか親戚の子が褒めちぎられているようで、ちょっと照れくさくなる。
ついてこれない人は、苦笑する。そこも計算ずく。

 

ももクロ」に目覚めたおじさんは、そんなことやってる場合じゃないだろ、な方向に暴走を始め、周りを巻き込んでいく。

置かれた状況は取り合えず横に置いといて、いやいや横に置いとく場合じゃないだろ、でも、横に置いて、「ももクロ」を踊るという行為に自らの再生を賭ける。

 

 

 

そして、ついに踊ってしまう。

 

 

 

Yes!Yes!We're the ももいろクローバー

カッケーゼ、おじさんたち。

クライマックスのグッと来るセリフの後、「行くぜっ! 怪盗少女」のイントロが流れた瞬間、私の涙腺は崩壊しました。

 

カタルシス!

 

「鈴木聡」さん、「ラッパ屋」の皆さん、不覚にもあなた方のことは全く存じ上げませんでしたが、珠玉の、極上のひとときを本当に有難うございました。
次作も必ず観ます。

 

踊るのはこれ。さて、千秋楽まで体がもつか、ご自愛ください。

 

18日までです。
23日には、北九州芸術劇場でも公演するそうです。
ほんのりと幸せな気持ちになれる、ちょっとだけ元気を貰える、そんな、心優しきコメディです。
お時間のある方はぜひ。
特に中高年のアナタ、そうアナタ!

 

ネタバレに配慮したつもりが、いつにも増して何だかよくわからない内容になってしまいました。
ごめんなさい。