トマト鍋
以前にも書きましたが、私は外出時、奇跡的なほどによく知人と出くわします。
それはもう、相当なものです。
そして今夜も。
我がピアノ教師 “メガネちゃん” に、ライブチケットのお礼にと誘われていた食事、行って来ました。
待ち合わせは、高崎駅近くで18時だというのに、午後も2時を回った頃からソワソワ、セカセカ、何も手に付かない。
さえないおっさん面を髪を鼻毛を歯をヒゲの剃り跡を何度も鏡でチェックし、なかなか進まない時計の針にイライラし、電話がかかってくるたび急な予定でも入ったか、とドキドキし、ついには我慢できなくなってアホみたく早い時間に家を出ました。
初デートの子供じゃあるまいし、バカみたい。
待ち合わせ場所に1時間近くも早く着き、ウキウキ、ルンルン、ワクワク待っているとメガネちゃんが待ち合わせ時間少し前にやってきました。
おお!
姪っ子(高2)がSSAで見て似合うと言っていた必殺の白ベース・コーデ。
カ、カワイイ(決して、きゃわゆい、ではない)。
ぐっ、似合い過ぎてめまいがするかと思った。
くーーー写真撮って壁紙にすればよかった。
そして、和風海鮮レストランとでも言えばいいのか、そんな感じのお店へ。
全く知らなかった、なかなか雰囲気がいい。
以前はよく夜の高崎にも出没していたのですが、ここ数年はそれもめっきり少なくなり、完全にプチおのぼりさん状態です。
個室ではなく、通常のテーブル席でした。
そして、鍋は “トマト鍋” 。
ここ数年よく聞きますが、食べたことはありません。
メガネちゃん、ビール、私、ノンアルコールビール(偉い!よく我慢した!)で、乾杯し、刺身などの一品料理をつまみながら、トマト鍋を待ちました。
ノンアルコールビールは最近随分と味がまともになり、私の安い脳が勘違いするのか、なんとなくほろ酔い気分になってくるから不思議。
お互い最初はなんとなく照れくさい感じで、それでも徐々に会話がスムーズになりかけたその時、メガネちゃんの背中斜め後ろの少し離れた席からじっとこちらを見つめている視線に気付きました。
3人の親子連れと思われるその子供、少女が大きな瞳でこちらを見つめていたのです。
あっ!どっかで見た顔!、、、ピアノ教室の待合室におけるレッスン時間待ち仲間の一人、ゲームばかりやっていて全くしゃべらない小学生低学年くらいの少女、通称 “ゲーム少女” 、間違いなく彼女でした。
どうやらご両親と楽しい楽しい外食だったようです。
これはまずい、気になって仕方がない。
背中を向けている女性が、自らが通うピアノ教室の先生だってことはもう認識しているはず。
話し好きなほうの子じゃなくてよかった。
いや、どうせ、すぐに伝わる。
今度のレッスン日は会話をしているヒマなどないほどギリギリに行こう。
で、メガネちゃんに生徒さんが来ている旨伝えようとするが早いか、ゲーム少女一家と思しき3人がスタスタとこちらにやってきて、挨拶を始めたのです。
案の定、ゲーム少女とそのご両親で、一応私もいつも教室でお世話になっている旨挨拶しておきました。
お正月のお土産を貰った件は、こんなおっさんにやったのか、とかなるとまずいと思いとりあえず伏せておきました。
そして、初メガネちゃんらしい父親があれやこれや世間話まで始めそうなところに母親が割って入りこれまた、娘の無愛想ぶりや上達の遅さを詫び、それをメガネちゃんが否定しお世辞を言う、そんな応酬がしばらく続き、当分終わりそうになかったので、私はコソっとゲーム少女を手招きし、
“シーサー(お土産)のお礼言っても平気?”
とたずね、彼女がコクンとうなずくのを確認、いつまでも終わりそうにない3人の会話に割って入りました。
“あ、あのう、先日お嬢さんから沖縄のお土産をいただきまして、ありがとうございました”
すると母親、
“聞いてます、娘がいつもお世話になってます”
と。
それがきっかけとなり、ゲーム少女一家は自分たちの席へと戻って行きました。
ご両親、凄いしゃべる、無口なお嬢さんと全く違う。
程なくしてメインのトマト鍋が来て、相変わらずゲーム少女の視線が気にはなりましたが、会話は弾みました。
メガネちゃんに始めて会ったのは、私が高校、彼女がまだ中1だった頃。
その後しばらくして今度は、音大に進んだ彼女と、これはイベントの機材を貸し出し、セッティングをおこなうなどの仕事として再会しました。
そしてまたしばらくして今度は地元で、当時高校で音楽を教えていた彼女と、あるコンサート会場で偶然再会しました。
さらには、飲み屋でも会っているそうですが、これは私が酔い潰れていたのでまったく覚えていません。
そんなこんななので、意外と話題には事欠きませんでした。
楽しかった。
共通の話題で、こんなに驚き、笑い、感心しながら時間の経つのも忘れてしまうなんて何年ぶりだ。
トマト鍋も美味しかった。
メガネちゃん曰く、
“ここのは魚介が入ってて美味しいんだよ” 。
確かに、エビやらイカやら入っていて、米入れてそのまま煮詰めればパエリヤにでもなりそうな感じでした。
ちょっとクセになりそうな美味しさです。
途中、ゲーム少女一家が帰っていきました。
テーブルの横を通り過ぎる際、彼女の口元が “ニッ” として、なんとも興味津々なクリクリな目をしていたのが、ちょっと怖い。
少しして私たちも店を出て、メガネちゃん行きつけのバーで、共にノンアルコールのカクテルを楽しみ、22時近くにお開きとしました。
メガネちゃん、実はお酒強くて大好きなのに、申し訳ないことをしてしまいました。
タクシーで来ていた彼女を自宅まで送り、そのまま帰宅、風呂入って、忘れない内にブログを書き始めました。
あっ!!!
うへへへへ。
にひひひひ。
“ちょっと早いけど” 、と、
チョコ貰っちゃったーーーーーーーーーー!!!!!
“あんまり綺麗にできなかったんだけど、、、”
えええーーー!!!
という事は、て・づ・く・り・???
早速姪っ子に食われないよう隠して、チビチビ味わって食わねば。
とち狂ったおっさんの一方的な想いの行方に何か進展があったのかは分かりません。
でも、間違いなく、久しく経験していない極上の時間でした。
もう一度言います、楽しかった!
ブログを書こうとモニタに向き合うと、
“エロじじい”
と書かれた付箋が貼ってありました。
ふんっ!やくなやくな。。。
おっさんの単なるノロケ話、失礼いたしました。