鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

わが名はレギオン、我々は大勢であるがゆえに

ウチから少し都市部に下ったところ、姪っ子(高2)の自宅よりは近いところに、私が仕事場として使っている一軒の家があります。

事務処理などPCだけあれば済んでしまう仕事は、自宅の部屋兼仕事場でおこないますが、それだけでは済まない仕事はこの家を使っています。

私ら親子が、父の実家で祖父母と同居するようになるまで、もう記憶も曖昧なほど昔に住んでいた家で、数年前まで人に貸していましたが今は私が使っています。

その家に現在1匹のメスの野良猫が居ついています。

我が飼い猫 “りょう” とはまるで違う、非常に人懐こく穏やかな性格の猫なのですが、、、

 

昨日、この猫が、大変なことになっていました。

 

虫が苦手な方、それが集合している様を想像すると気絶しそうになる方は、すぐに離脱してください。
かなり気持ち悪い話です。

 

なんと、頭部を除いてほぼ全身に、びっしりとダニがたかっていたのです。

 

数日前から、なんだか様子がおかしいとは思っていました。
元気がなく、明らかに衰弱している様子。

さすがに心配になり、“お前どうした?” と体に触れると “ギャア!” と鳴いて身をよじる。
もう一度触れると今度は唸って威嚇してくる。
え?一体何事?

 

かなり痛そうで、怪我でもしているのかと、ジッと目を凝らすと、白い毛の部分、何かが透けて見える、そっと毛をかき分けてみると、そこはとんでもないことになっていて、草むらなどにいる “マダニ” の一種だと思うのですが、それの小さいヤツ、黒いゴマ粒のようなのが、それこそ地肌が見えなくなるほどの勢いで食いついていたのです。

 

ときどき唸りながら口の届く範囲をかきむしって(噛みむしって?)いる。
尋常ではない痛痒さのようです。

これじゃあ、ろくに眠れないに違いない。
眠るのが仕事の猫が眠れないのでは、ストレスで死んでしまいかねない。

 

それにしてもよくぞここまで。
先日来の異常な暖かさで大発生したか。

ウチの “りょう” なんて四六時中裏山に行っていますが、こんな経験はありません。
ごくまれに耳の辺りの毛の薄いところに1匹たけてくるくらいです。

 

ダニは無理には取れないし、血を吸い終わればいずれは勝手に離れるのですが、悠長にそれを待っている状況ではない。
野良猫とはいえ、放っておくわけにはいきません。

 

早速獣医に連絡し、駆除剤を貰って来ました。
「フロントライン プラス」という首に垂らすタイプの薬剤3本。
結構高い。

何事かと恐れ、いやがり、抵抗する彼女を押さえつけておいて、やっとの思いで、首筋に投与しました。

 

首に垂らすくらいで効くのかな?と思いつつ数時間後、彼女お気に入りの場所に様子を見に行くと、これが、凄い、うずくまっている彼女の周りに黒ゴマの袋をぶちまけたがごとく落ちている。

拾い上げて見てみると、手のひらの上をゆっくりと移動する。
殺してしまうのではなく、ダニ自らが嫌がって離れるようにする薬のようです。
よく出来ています。
いきなり殺してしまっては、食い込んでいる口?が残ってしまいますからね。

ガムテープで片っ端から貼り付けて回収したのですが、その間にも彼女が動くたびにポロポロポロポロきりなく落ちてくる。

まだまだ尾のほうまでは効果がまわっていないようですが、3~4日もすればすべて駆除できるでしょう。

 

彼女の表情も心なしか落ち着いて見えます。

 

この猫にはエサは一切与えていません。
姪っ子にも絶対与えるなと言ってあります。

でもどこかでエサにありつき、なぜかこの家にやって来ます。

この辺りのご近所とは挨拶をする程度の付き合いしかないので、本当に野良猫なのかどうか実際のところは分かりません。
前に住んでいた方が飼っていた可能性もあります。

 

野良猫が不幸だなんて人間の思い上がりでしょう。
でも、今回のケースでは人間が手を貸さなければまず間違いなく死んでいたと思います。

不幸な命を増やさないためにも、様々なトラブルをなくすためにも、猫も犬同様に登録を義務付け法律で管理できないか。
猫は人間に直接的な危害を加えることがほとんどないので、なかなかそうしようと言う事にはならないのでしょうが、時間はかかってもやってやれない事はないはずです。
でも、もし仮にそれが徹底された場合、街からは猫の姿が消えてしまうことになります。
それもちと寂しい。

なかなか悩ましい問題です。

 

そして今日も先の野良猫は、盛大にダニをばら撒きながら私にすり寄って、、、ギャーーー!やめてくれ!
この調子ならすべてのダニが駆除されるのにそう時間はかからなそうです。

 

ただここで一つだけ気になることが、、、。
猫の体から落ちたダニは前述したとおりその時点では生きています。
一応可能な限り回収して捨てていますが、外にいるのですからすべてを回収することなんて出来っこない。

そうなると落ちたまま放って置かれたダニはその後どうなるのでしょう。
そのまま死んでくれるのか、それとも別の犬猫あるいは人間を新たな宿主とするのか。

 

イーーヤァーーーーー!!!

 

ダニ、、、超キモイ、、、。

 

当分 “ゴマ汚し” が食べられそうにありません。