鉛の風船

ロックです ジャズです ぼんくらなおっさんです

見守り隊

先日夕方、町内のじいさんと地元署の警官がウチにやって来ました。

 

うっ!!!
ついにその時が来たか、、、
ここ数年頻発している小学生への “声かけ事案” 、
とうとう容疑者 “A” になっちまったか、

だから何度も言ってるでしょ、
私が好きなのは「ももクロ」なのであって、子供じゃないんだってば、
えっ?ピアノ教室?当然ピアノ習いにいってるだけだし、
いつもいる女の子は時間的なタイミングでたまたまいるだけで、
だいいち、真の目的はメガネちゃ、、、ゴホン、

 

おいっ、警官!やめろ、制服着て来るな、パンダカー、ウチの横に止めるな!

 

ど田舎なんだぞ、一瞬で噂が広まるんだぞ。
一度手に入れた極上のネタは生半可じゃ手放してくれないんだぞ。
田舎の連中は、チョットだけ違う日常をほんの一瞬垣間見ただけで、自在に尾ひれを付けて、話を広げ、次のネタを手に入れるまでお茶請けとして酒の肴としてとことん楽しむんだ。

 

くそ!いっそ逮捕でも何でもしてくれ、そのほうがスッキリする。。。ウソです。

 

で、突然やってきた、じいさんと警官は、私に「見守り隊」に入れと言い出したのです。
日本各地でおこなわれている、通学中の子供たちを見守り、彼らが犯罪に巻き込まれるのを防ごうというヤツです。
地元の子供たちを守るためにぜひ、と。

 

あのね、じいさんと警官、私は通勤こそしていないけど、仕事してるんだよ。
これでも忙しいときは忙しいんだよ。
夕方だけでいい?
そこらにまさに夕方ヒマでヒマでしょうがないじじいがたくさんいるじゃんか。
農家の愛すべき不良じじい共は午後になれば、もう、一杯やることしか考えてないぞ。

 

しかし、それでも人手が足らないのでなんとか頼む、という。

 

それにしても子供への “声かけ事案” っていったい何が目的だ?
誘拐などという大それたことは考えてない気がする。
じゃあ、裁判所から面会を禁止された元パパか?
いや、やっぱりただの変態野郎か?
え?それじゃあ私も大して変わらない?
イヤイヤイヤイヤ、その件に関してはまあ今回は置いとくとして、我が地元ではまだ事件に発展した事例はないものの、たとえ僅かでも子供が事件に巻き込まれかねない状況を作り出しているヤツは絶対に許せない。

近所のクソガキ共の生意気で生き生きとした表情やピアノ教室にいる子らの好奇心旺盛でキラッキラした瞳の輝きを奪うヤツがもし本当にいるなら、徹底的にあぶり出して、やっていることの重さを思い知らせてやりたい。

 

でも、私は今回の件、丁重にお断りしました。

 

やっぱり時間が無い。
その活動の責任の重さを負いきれる自身も無い。

そして何より、その活動自体に真剣に取り組める気がしない。

 

地域の「見守り隊」という活動は非常に有意義で、素晴らしいと思います。

 

でも、ちょっとだけ、ほんの少しだけ、納得いかない部分もあるのです。

随分と前から、近所の子供らから漏れ聞こえてくる、

“見守り隊のおじさん怖い”
“早く帰れ帰れうるさい”
“すぐ怒る”

などの声。

結果、わざわざ見守り隊のいない道を通って帰ってくる彼ら。

 

ごく一部だとは思いますが、見守るはずの子供たちに恐れられる存在となってしまっている方もいらっしゃるようです。
話を聞くと、ふざけながら歩いているだけで、さっさと家に帰れ、とどやされることもしばしばだそうで。
批判を恐れずに書くなら、なんだか “自警団” の気分でおられるのかもしれません。

その辺、ウチに来た警官に聞いてみると、

“真剣に取り組んでらっしゃるのだと思います、犯罪に巻き込まれることを考えたら、そのくらいやってもらったほうがいいですね”

とのことでした。

 

子供に怖がられて、“見守り隊” ?

 

なんとなく、「アゴタ・クリストフ」の「怪物」を思い出してしまったり。

 

なんか違う。

 

私は、私の出来る範囲で、子供に限らず地域の安全には当然注力していきたいと思っています。
そんなのあえてお揃いのチョッキを着たりワッペン貼ったりしなくても、みんな普通に無意識の内に意識していることだから。

私の場合だと、コンビニに用が出来たら、出来る限り小学校の近くにあるコンビニまで、下校時間を見計らって徒歩で行くとか(運動にもなる)、顔見知りの子供には声をかけるとか(切り返しがキツいガキばっかなのでホントはイヤ)、そんなレベルですけど。。。 ← ん?それって “声かけ事案” ?見守り隊に通報される?

 

結局、ヘタレなんですね、きっと。

 

だって、夕方なんて、仕事が早く終われば、さっさと風呂入って、コーラでも飲みながら、「ももクロ」のニュー・アルバム聴いてたほうがいいですもん。

 

近所のじいさんよ、いつもいろいろ協力してるんだから、今回はパスさせてくれ。

 

以上、「見守り隊」や「自警団」といった活動を批判、否定するものでは決してありません。
活動の趣旨は十分理解しているつもりですし、出来る範囲での協力は惜しまないつもりです。
ただ、積極的にその活動に参加することは、“今の私にはできない” し、“その気にもなれない” という、それだけのお話です。